<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
1-3-1-5 修行の助縁
(煩悩を断じ除くのに有利な条件)
1)住む場所の助縁:
静かで、誰かの持ち物ではない所。
それ故に、執着から生じる煩悩とは、無縁であるような場所。
2)法の助縁:
修行者の性質と行動に適合させる。
たとえば、愛が強く、慧が鈍い人は、身念処を修行するのがよい。
3)先輩・指導者の助縁:
教法は、必ずや、苦を滅する方向へ導くものでなければならないし、かつ、四念処の理論から学び始める事。
ゆえに修行者は、己が修行しているのが、真正なる vipassana 修法なのかどうか、必ず知っておく必要がある。
実修の方法は、実相(第一階智:名色分別智)が見えるものでなくてはならない。
指導者は、学生に自由に問題を提起させる必要がある。そのようにして初めて、学生は、修行上に生じた疑問を、解決することができる。
4)食べ物の助縁:
衛生的で、健康的である事。あまり豊富過ぎるのは良くない。必要であるならば、修行者それぞれ個別に、食事の制限をする。
仏陀は、もし、住む場所も良く、食べ物も良いけれども、法を見る事ができないのであれば、修行者は、そこを離れるべきである;
もし、住まいも食べ物もよくなくても、修行者が法を見る事ができるのであるならば、修行者はそこに留まり続けるべきだ、と述べている。
誰かが彼を追い出そうとしても、彼は、法を見るための条件の整っている場所に、留まるべきである。
5)天候は、余り暑すぎず、寒すぎない場所がよい。
1-3-1-6 正確な修法(四念処)
仏陀の説に基づく、正確な修法は:
1)心身への執着を断じ除くよう導く事ができる。
2)無執着に導く事ができる。
3)煩悩を取り除く事ができる。
4)貪欲を完全に取り除く事ができる。
5)正確な知見または道を得る事ができる。
6)四聖諦を体験・証悟する事ができる。
7)涅槃(滅)へ導く事ができる。
(6)については、バラモンのパタパッタ(=帕塔帕達)が仏陀に、宇宙は永遠であるか永遠でないかという問題を問うた時、仏陀は、その質問に答える事を拒否し、かつ四聖諦を説き、以下のように述べた:
「パタパッタよ。
というのも、あの問題(四聖諦)は、比較的有益で、法に関連しており、正しい行為に導くことが出来、欲貪を離れることができ、心を静かにさせる事ができ、更に高いレベルの道を認識し、深く観ずる事ができ、涅槃へ向かうことが出来る。
故に、パタパッタよ。
これが、なぜ私が、この問題に対して、更に一歩進んで(+このように)解説をするのか、という理由である。」(長部ニカーヤ・戒蘊品)
(1-29につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<原題「身念処」Vipassana Bhavana 第二版 アチャン・ネン著
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>