南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

「身念処」1-68

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

Vipassana修法

1)真実の自性は般若(智慧)。

2)修行の所縁は実相(実相または身・心);

四念処修行の中の四組の念処を所縁とする事を通して、実相般若を引発する。

3)Vipassana の特徴は、実相の智慧を顕示する事が出来る事。

4)Vipassana の作用は、無明(四聖諦に対する無知)を、断じ除く事である。

5)Vipassanaの結果は、正見(または身・心の自然なる真実の状態)の成就である。

6)Vipassanaの効果は、四念処を所縁とする定(刹那定)を生じせしめて、実相般若を引発する事である。

7)Vipassanaの利益は、個人の宿業または煩悩を断じ除ことができる事。

煩悩がなければ、二度と輪廻しない。

という事は、煩悩がなければ、涅槃するという事である。涅槃すれば、後有を受けないので、涅槃は快楽(=楽しい)なのである。

8)Vipassana の修行の場合、六根は、皆活用されなければならない。そして、他に特別は所縁は必要とせず、身・心の無常・苦・無我(自然なる真実の状態)を観照するだけでよい。

法念処では、五蓋は、一つの所縁とすることができる。

9)仏陀は、四念処でもって vipassana、観禅をしたいと思う人は、先に四種類の性行の中で、自分はどれに相当するか理解しておく必要がある、と述べている。

それぞれの類型によって、修するべき念処は異なる。(1a、1b等)。

(例えば、貪愛性行で、利慧(=智慧に鋭い)者(1a)は、受念処を観ずるのがよい。)

①貪愛性行

a)利慧(智慧が鋭い)

b)鈍慧(智慧が鈍い)

②見執性行(=己の見解に執着する人)

a)利慧(智慧が鋭い)

b)鈍慧(智慧が鈍い)

現代において、一人ひとりが貪愛性行で、かつ鈍慧者であると仮定した場合、身念処を観ずるのがよい。仏陀によると、この時代に阿羅漢道を成就するには、身念処(における粗いと微細な動作の観察)から着手するのが妥当である、との事である。

(1-69につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<原題「身念処」Vipassana Bhavana 第二版 アチャン・ネン著

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>