南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

般若の独り言~他山の石

「他山の石」

日本では、性格の悪い人、素行の悪い人を見て「ああはなりたくない」という時、「あれを他山の石としよう」と言い、この俚諺を、反面教師的な意味で使っているように、見受けられます。

本来、他山の石には、その後の句があります。

「他山之石、可以攻玉」です。

ダイヤモンドや、玉石の原石は、軽石で磨くそうです。

という事は、軽石がないと、ダイヤモンドもヒスイも輝く事をできない、という事になります。

ダイヤモンドの原石が「私」で、対面に見える軽石でできた山が「他山」です。

他山にある軽石を持ってきて、自分を磨かせてもらうのですから、他山とは、己の成長にとって、絶対に欠かすことのできないトイシ、教師なのです。

<我以外皆教師>と言ったのは空海でしたか、与謝野晶子でしたか、忘れましたが、己自身以外の、あなたが軽石と軽蔑しているすべての存在は、あなたが輝くために絶対に必要な存在、という訳です。

人生の出会いに無駄はない。

   <緬甸パオ森林寺院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>