般若の独り言~他山の石
「他山の石」
日本では、性格の悪い人、素行の悪い人を見て「ああはなりたくない」という時、「あれを他山の石としよう」と言い、この俚諺を、反面教師的な意味で使っているように、見受けられます。
本来、他山の石には、その後の句があります。
「他山之石、可以攻玉」です。
ダイヤモンドや、玉石の原石は、軽石で磨くそうです。
という事は、軽石がないと、ダイヤモンドもヒスイも輝く事をできない、という事になります。
ダイヤモンドの原石が「私」で、対面に見える軽石でできた山が「他山」です。
他山にある軽石を持ってきて、自分を磨かせてもらうのですから、他山とは、己の成長にとって、絶対に欠かすことのできないトイシ、教師なのです。
<我以外皆教師>と言ったのは空海でしたか、与謝野晶子でしたか、忘れましたが、己自身以外の、あなたが軽石と軽蔑しているすべての存在は、あなたが輝くために絶対に必要な存在、という訳です。
人生の出会いに無駄はない。
<緬甸パオ森林寺院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>