般若の独り言~四界分別観
テーラワーダの修行方法は、仏陀の古い教えを踏襲している、といいます。
そういうと「そんな事はない。テーラワーダだって、仏陀涅槃の後、色々な思想が紛れ込んでいて、それほど純粋ではない」と反論する人がいます。
まぁ、そうかも知れません。
ただ私たち現代の修行者は、現時点で手に入る仏陀の修法(と思われるもの)の内、自分が納得するもの、実践可能なものを選んで、チャンレンジしてみるよりほかに方法はありません。
そんな中で、緬甸のパオ森林僧院で教えている修法に<四界分別観>というものがあります。
安般念の瞑想の対象は息ですが、この瞑想の対象は、己自身の身体の四つの界、地と水と火と風です。
坐禅して、己自身の身体に内包される、以下の性質を観察します。
地の性質ーー硬い、柔らかい、滑らか、粗い、重い、軽い。
水の性質ーー流動性、粘着性
火の性質ーー熱い、冷たい
風の性質ーー支持性、推進性
心を集中させて、身体の四界の性質を上手に観察できるようになると、身体は透明になってきますので、色聚(素粒子、クオーク)を、直接知覚する事ができるようになります。
色聚は基本的に地、水、火、風、色彩、味、食素(栄養素)、香のハつで構成されていますが、それを八不離色といいます(八つは同時に生起して、同時に滅する為)。
安般念(出入息念)の修行が進展しない方は、四界分別観にチャンレンジするのもよいかも知れません。
ただし、四界分別観の修行は、必ず指導者について修行されて下さい。自己流でやると、禅病になる恐れがあります。(興味のある方は拙訳『智慧の光』<菩提樹文庫HP>をご参照下さい。)
<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>