南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

パオ森林僧院の現状

11月2日よりこのかた、日本(主に東京)では、パオ森林僧院を最後の修行地として帰国された、マハーカルナー禅師の重大戒律違反問題(11月15日現在、真偽不明)で、揺れています。

ただ、揺れていると言っても、日本全体からみれば、

コップの中の嵐>でありますから、騒げば騒ぐほど、市井の民、誠実な仏教徒から嫌悪される事を、関係者は胸に銘じておきましょう。

パオ森林僧院の本山は、緬甸(ミャンマー)の西部モーラミャイン、パオ村にあります。

先代の住職が、パオ・セヤドー(ウ・アチンナ)の資質を見込まれて、僧院の後継者として迎え入れたそうです。

パオ・セヤドーはそれ以前には、森林に一人籠り、清浄道論に基づき修行して、現代において抜け落ちてしまった修行方法の欠け口を見つけ、それを繋ぐことに成功し、いわゆるパオ・メソッドを考案されました(ただし、御本人は、パオ・メソッドと呼ばれるのを嫌い、自分はただ、古の修行方法を復元しただけだ、とおっしゃっています)

今、緬甸中部のメミョウにおいて、パオ・セヤドーは、1万人が学び、修行できる、仏教大学と修行道場を建設中です。

タイの仏教大学では、パオ・セヤドーの著書・論文が正式に受理され、名誉教授のような地位を得たとの事です(伝聞です)。

これまで、タイは自国の修行方法を誇り、緬甸もまた自国の修行方法を誇っていましたが、今後は、タイと緬甸のサンガが手を取り合って、修行方法のメニューを色々揃え、修行者は、己の興味とレベルに合わせて、修行方法を選べるようになるのではないか、と思っています。

今回の戒律違反疑惑による混乱は、雨降って地固まると言いますか、仏教とは何か、修行者はどうあるべきか、一人ひとりが自分の胸に問う、よい機会だと思います。

仏法は自然法(自然の真理)です。

それはいつも、我々と共にあります。

    <緬甸パオ森林寺院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay>