南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

般若の独り言~猫と鼠

タイの森林僧院で教わった楽しいダンマ。

それは〈猫と鼠の物語〉。

あなたの正念正知、どんな具合でしょうか?

日常生活の中で、うまく活用できていますでしょうか?

正念は「業処を忘れない事」です。

業処は、あなたの修行の手段、たとえば安般念(出入息念)などです。

行住坐臥、眠る時以外、一時も業処を忘れないのが理想ですが、これはなかなか難しいので、とりあえず、朝夕、瞑想している間だけでも、業処を忘れない、妄想しない、で充分かと思います。

正知は、<今・ここ>の一瞬一瞬の、己の一挙手一投足によく気が付いている事です。

あなたが妄想や煩悩に打ち負かされて、心内に嫌悪や憎悪が生まれる時、それは正念正知がないために、心内の<大きな鼠>が悪さをしているのです。

では、自分の心に巣食う<大きな鼠>をやっつけるには、<鼠よりもっと大きな猫>がいればいいわけです。

<鼠よりもっと大きな猫>とは、あなたの心に、正念正知が確立された、という意味です。

朝夕瞑想されて、たとえあなたの心内に<大きな鼠>が出て来ても、素早く飛び掛れる<大きな鼠よりもっと大きな猫>を育ててみませんか?

猫は黒猫でも白猫でも構いません。

鼠さえ捕まえてくれればそれで結構です~草場の陰の鄧小平より。

   <緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>