南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

般若の独り言~怒りの処方箋

以前、私はブログに

<「怒ってはならない」という風な、したり顔で怒りについて書かれた本は、読まない>

<特に僧侶の書いたもので、仏教徒なら怒らないのが当然、という前提で書かれた、良い子向け道徳本は、自分の参考にならないので読まない>と書いた事あります。

今も、その類の本は読まないのですが、最近、自分の怒りが、少し見える様になってきました。

先日、日ごろ私が親切にして上げている(と思っていた)女性に、ちょっとつれなくされて、少しばかり立腹したのですが、しかし、瞑想して、入定する中で、落ち着いて己自身の言動を振り返ってみると、彼女にとっては、私の親切は《小さな親切、大きなお世話》な訳でして、「彼女が私に、恩義を感じる必要はないのだなぁ」と、よくよく分かりました。

人と人との、ちょっとした心の行き違いは、勘違い、過剰な期待などなどから、発生する事が多いです。

冷静に、己自身の心の動きへの気づきを忘れず、心をニュートラルにして、何があっても軽やかに対応する様にする。

他人と、多少の行き違いがあっても、笑っていられる自分がいたら、それはそれで爽快です。

私にとって、怒らない心の処方箋とは、己の心の動き(起心動念)への観察と、瞑想による状況への俯瞰と反省(貪欲や渇愛の瞬間の心をつまんで捨てる)、そんな所が有効な様です。

  <緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>