Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(9-2)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

正順縁起の識別

しかし、ただ ”生死の発生は諸々の縁によるが、この縁の滅尽する時、生死流転もまた滅尽する” という信心(=信仰心)を擁しているだけでは足りない。

観智とは、いかなる時においても、己自身、直接、慧を修習して、自ら証するものであり、その様にするのでなければ、苦集聖諦を断じ除くことはできないし、苦滅聖諦も証悟することはできないのである!

では、一体どの様にして、正順と逆順の縁起を識別するのであるか?

我々はすでに、如何にして名法(nāma)と色法(rūpa)を識別するのかを述べた。

もし、あなたが、我々がすでに言及したことのある方法でもって名色法を識別する事ができるならば、あなたはそれらの因も識別する事ができる。名色とその因を識別する事と、縁起(paṭicca-samuppāda)を識別する事は、皆同じ事柄であるが故に。

仏陀は、聴衆の根基に基づいて、四種類の縁起の識別の仕方を教えたが、その他に、シャーリープトラ尊者が教え、かつ《無礙解道》に収録されている所の、第五法がある。

もし、これらの多くの方法を、詳細に説明しようとするならば、非常に多くの時間を必要とする為、我々はただ、パオ森林僧院において、最も多く教えられている所の、二種類の方法を紹介する。

我々は、シャーリープトラ尊者の教えた方法を ”第五法” と呼び、仏陀が、《長部・大因縁經》(Mahānidāna Sutta)や《相応部・因縁品》(Nidānavagga Sutta)等の経の中において、教えた方法を ”第一法” と呼んでいる。

この二種類の方法は、現在、過去と未来の五蘊の識別、すなわち、三世を貫く、因と果の運用を、識別するものである。

あなたは何が因で、何が果であるかを、識別しなければならない。

あなたが、この様に識別する事ができる時、聖典と義註の中に書かれた、縁起を識別する為の他の方法もまた、学び実践する事ができるに様になるであろう。

(9-3につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。

<『涅槃証悟の唯一の道』パオ・セヤドー著(原題「証悟涅槃的唯一之道」) 

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>