Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

般若の独り言~五木寛之氏の「苦」

本日、IT の WEB 記事を読んでいましたら、五木寛之氏の文章に出会いました。

彼は、何時の頃からでしたか、龍谷大学で仏教の勉強をしていて、仏教に詳しい作家です。

その彼が、ゴータマ仏陀の説いた「苦」(dukkha)について説明しています。

仏陀の説いた重要な概念「苦」について、「苦」とは「不円満」「思い通りにならない事」と言うのです。

これは正しいです。

しかし、彼は返す刀で、仏陀が説いた<dukkha>を、中国人が「苦」(苦しい)という言葉を持ってきて表現したのは、すこし違う・・・とのご意見。

しかし、中国語の分かる私から言わせると、<dukkha>を、「苦」と訳した古代の中国人も、なかなかなものだな、と思います。

というのは、中国語の「苦」は、勿論、<苦しい>という意味もありますが、どちらかというと「苦い」という意味なのです。

「因縁生起、刹那生滅する我々の人生は、不円満が故に、苦い涙の味がする」

完璧ではないでしょうか?

 <緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>