南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『禅修指南』6‐9

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

《色法の本質》

この28(+種類の)色は、単独では存在する事ができない。ただ、色聚として構成された形態でのみ出現する。

すなわちそれは、最も小さい色法の構成・構造であって、その名はまた「密集」(ghana)とも言う。

同一の粒の色聚の中の諸色は:

同時に生起し(ekuppāda)、

同時に滅し(ekanirodha)、

同一の処に依存する(ekanissaya)。

同じ一粒の、色聚の中の四大は、相互に依存し合い、所造色(upādā rūpa)は、同じ一粒の、色聚の中の四大に依存して存在する。

四大と所造色は、みな、その他の一粒の色聚の中の四大に依存する事はない。

究極色、四大がどの様にして相互に依存するのか、及び所造色が、どの様にして、四大に依存しているのかを、如実に知見する為には、(+修行者は)先に、色聚が見えなければならない。

修行者が、色聚を見ることが出来たならば、その後において、彼は、一種類毎の色聚の中の、究極色法は、8個、または 9個、または 10個、またはもっと多くあるのを、見ることができる。

その後、彼は、一種類毎の色法の自性相と本質を、智慧でもって、識別する事ができる様になる。

唯一、この様にして初めて、彼は、究極色法を理解する事ができる。

色聚を識別する所の、この方法の名は「界分別」と言う。

《中部・根本50經篇・大牧牛者經》において、仏陀は以下の様に言う:

「比丘たちよ。

11支を具足する比丘は、この教法の中で成長し、向上し、または成就する事は出来ない。」

この11支の中の一支について、仏陀は以下の様に言う:

「比丘たちよ。

色を知らない比丘とは何か?」

この点に関して、仏陀は更に一歩進んで解説する:

「比丘たちよ。

どの様な色であろうとも、すべての色は、皆、四大及び、四大に依存して造られる所の色である事を、如実に知らない比丘の事を、言うのである。比丘たちよ。

この様な比丘は、色を知らない(+比丘である)と言うのである。」(注22)

注22:『漢訳南伝大蔵經』「中部経典」一。

(6‐10につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版

中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>