南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『禅修指南』8-17

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

《受、識または触の識別から始める》

《中部註》(Majjhima‐Aṭṭhakathā)は、

以下の様に言う:

Tividho hi arūpakammaṭṭhānena 

abhiniveso phassavasena 

vedanāvasena cittavasenā'ti.

名法の識別に関する入門法は、以下の三種類ある。

すなわち:

1、受(vedanā)が明確な者は、受から識別を始める。

2、識(viññāṇa)が明確な者は、識から識別を始める。

3、触(phassa)が明確な者は、触から識別を始める。

受の識別から始める場合の教え:

Yassa vedanā pākaṭā hoti、

so ’na kecalaṁ vedanāva uppajjati.

Tāya saddhiṁ tadevārammaṇaṁ

phusamāno phassopi uppajjati、

sañjānanamānā saññāpi、

cetayamānā cetanāpi、

vijānanamānaṁ viññāṇampi 

uppajjanti'ti

phassapañcamake-yeva pariggaṇhāti.

ーー「受」が明確な者は、触の五法を識別するべきである。

それは、ただ受の生起に注意を払うだけではなく、同時にまた、以下の状況にも、注意を払うべきである(+という教えである)。

すなわち:

受と接触する所の、同一の所縁における触もまた、生起しつつあるが故に、それに対しても、同時に、注意を払うべきである:

当該の所縁を標記する想もまた、生起しておりが故に、相応する法を促して、当該の所縁に向かわせる所の、思もまた生起しており、当該の所縁を識識知する所の識もまた、生起しつつある(+が故に、同時に識別するべきである)。

識の識別から始める場合の教え:

Yassa viññānaṁ pākaṭāṁ hoti、

so ’na kecalaṁ viññānameva  

uppajjati.

Tāya saddhiṁ tadevārammaṇaṁ

phusamāno phassopi uppajjati、

anubhavamānā vedanāpi、

sañjānanamāna saññāpi  cetanāpi 

uppajjatī'ti hassa‐pañcamakeyeva

pariggaṇhāti.

ーー「識」が明確な者は、識の五法を識別するべきである。

それは、ただ識の生起に注意を払うだけではなく、同時にまた、以下の状況にも、注意を払うべきである(+という教えである)。

すなわち:

識と接触する所の、同一の所縁における触もまた、生起しつつあるが故に、それに対しても、同時に、注意を払うべきである:

当該の所縁を体験する所の受もまた、生起するが故に、当該の所縁を標識する想もまた生起するが故に、相応する法を促して、当該の所縁に向かわせる所の、思もまた生起しつつある(+が故に、同時に識別するべきである)。

触の識別から始める場合の教え:

Yassa phasso  pākaṭo hoti、

so ’na kevalaṁ phasso uppajjati.

tena saddhiṁ tadevārammaṇaṁ

anubhavamānā veanāpi uppajjati、sañjānanamānā saññāpi、

cetayamānā cetanāpi、

vijānanamānaṁ viññāṇampi 

uppajjanti'ti

phassa‐pañcamakeyeva 

pariggaṇhāti.(《迷惑氷消》Vibhanga‐aṭṭhakathā)

ーー「触」が明確な者は、触の五法を識別するべきである。

 それは、ただ触の生起に注意を払うだけではなく、同時にまた、以下の状況にも、注意を払うべきである(+という教えである)。

すなわち:

(+その時)同一の所縁を体験する所の触も生起しつつあり、当該の所縁を標記する想もまた、生起しつつあり、相応する法を促して、当該の所縁に向かわせる所の、思もまた生起しつつあり、当該の所縁を識知する所の識もまた、生起しつつある(+が故に、同時に識別するべきである)。

(《中部・根本50經篇註》)  

(8-18につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版  中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>