<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
《受、識または触の識別から始める》
《中部註》(Majjhima‐Aṭṭhakathā)は、
以下の様に言う:
Tividho hi arūpakammaṭṭhānena
abhiniveso phassavasena
vedanāvasena cittavasenā'ti.
名法の識別に関する入門法は、以下の三種類ある。
すなわち:
1、受(vedanā)が明確な者は、受から識別を始める。
2、識(viññāṇa)が明確な者は、識から識別を始める。
3、触(phassa)が明確な者は、触から識別を始める。
受の識別から始める場合の教え:
Yassa vedanā pākaṭā hoti、
so ’na kecalaṁ vedanāva uppajjati.
Tāya saddhiṁ tadevārammaṇaṁ
phusamāno phassopi uppajjati、
sañjānanamānā saññāpi、
cetayamānā cetanāpi、
vijānanamānaṁ viññāṇampi
uppajjanti'ti
phassapañcamake-yeva pariggaṇhāti.
ーー「受」が明確な者は、触の五法を識別するべきである。
それは、ただ受の生起に注意を払うだけではなく、同時にまた、以下の状況にも、注意を払うべきである(+という教えである)。
すなわち:
受と接触する所の、同一の所縁における触もまた、生起しつつあるが故に、それに対しても、同時に、注意を払うべきである:
当該の所縁を標記する想もまた、生起しておりが故に、相応する法を促して、当該の所縁に向かわせる所の、思もまた生起しており、当該の所縁を識識知する所の識もまた、生起しつつある(+が故に、同時に識別するべきである)。
識の識別から始める場合の教え:
Yassa viññānaṁ pākaṭāṁ hoti、
so ’na kecalaṁ viññānameva
uppajjati.
Tāya saddhiṁ tadevārammaṇaṁ
phusamāno phassopi uppajjati、
anubhavamānā vedanāpi、
sañjānanamāna saññāpi cetanāpi
uppajjatī'ti hassa‐pañcamakeyeva
pariggaṇhāti.
ーー「識」が明確な者は、識の五法を識別するべきである。
それは、ただ識の生起に注意を払うだけではなく、同時にまた、以下の状況にも、注意を払うべきである(+という教えである)。
すなわち:
識と接触する所の、同一の所縁における触もまた、生起しつつあるが故に、それに対しても、同時に、注意を払うべきである:
当該の所縁を体験する所の受もまた、生起するが故に、当該の所縁を標識する想もまた生起するが故に、相応する法を促して、当該の所縁に向かわせる所の、思もまた生起しつつある(+が故に、同時に識別するべきである)。
触の識別から始める場合の教え:
Yassa phasso pākaṭo hoti、
so ’na kevalaṁ phasso uppajjati.
tena saddhiṁ tadevārammaṇaṁ
anubhavamānā veanāpi uppajjati、sañjānanamānā saññāpi、
cetayamānā cetanāpi、
vijānanamānaṁ viññāṇampi
uppajjanti'ti
phassa‐pañcamakeyeva
pariggaṇhāti.(《迷惑氷消》Vibhanga‐aṭṭhakathā)
ーー「触」が明確な者は、触の五法を識別するべきである。
それは、ただ触の生起に注意を払うだけではなく、同時にまた、以下の状況にも、注意を払うべきである(+という教えである)。
すなわち:
(+その時)同一の所縁を体験する所の触も生起しつつあり、当該の所縁を標記する想もまた、生起しつつあり、相応する法を促して、当該の所縁に向かわせる所の、思もまた生起しつつあり、当該の所縁を識知する所の識もまた、生起しつつある(+が故に、同時に識別するべきである)。
(《中部・根本50經篇註》)
(8-18につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html
<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版 中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>