<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
(2)非主要色法(=主要でない色法、以下同様):
又の名を「帯動される色法」と言う。
上に述べた主要な色法の外に、六処門と42身分(=42身体部分、以下同様)の中のその他の色法は、すべて、行住坐臥と行動明覚における、非主要色法である。
実際は、それらは帯動されている訳ではなく、ただ相次いで、新しい場所において、生起しているに過ぎないが、しかし帯動されている様に(+見えるのである。)
実修の方法:
ここでは、歩く時の識別方法を、例に取る。
すでに、白遍を修習した事のある、禅修行者ならば、經行の道に立ち、白遍第四禅が得られるまで、先に定力を育成する。
その後に、身体の中の四界を、識別する。
色聚を見る事が出来たならば、六処門と42身分の中の色法を、全体的に識別する。
その後に、前に向かって、何歩か歩く。
歩く時に、以下の様子を、順序よく識別する:
1、帯動する色法を主とした色法。
2、帯動される色法を主とした色法。
これは、仏陀が、帯動する色法を識別する事を主とせよ、とした教えに基づく:
’Gacchanto vā gaccaāmīti
pajanāti.’
ーー「歩く時、彼は『私は歩いている』と知る。」
仏陀はまた、帯動される色法を主に、識別する様にも教えている:
’Yathā yathā vā panassa kāyo
paṇihito. Tathā tathā naṁ pajānāti’.
--「どの様に姿勢にあっても、彼は、身体の姿勢において、覚知を保持するべきである」
また、護法尊者(Ācariya Dhammapāla)は、《根本50經篇疏鈔》(Mūlapaṇṇāsa ṭīkā)の中において、以下の様に言う:
Purima nayo vā iriyāpathappadhāno
vutti ti tattha kāyo appadhāno anunipphādīti idha kāyaṁ
padhānaṁ appadhānañca iriyāpathaṁ anunipphādaṁ katvā dassetuṁ dutiyanayo vuttoti evampettha
dvinnam nayānaṁ viseso veditabbo.
帯動する色法を主とする時、それはすなわち、帯動される色法をも、識別している事になる。
これは、帯動する色法を主に識別する時、禅修行者はまた、帯動される色法もまた、同時に、容易に、識別できてしまうからである。
同様に、帯動される色法を識別する時、それはすなわち、帯動する色法をすでに識別しているのである。
ちょうど、米俵を担いでいる人間に注意を向けるとして、あなたがその人間を見る時、担がれている米俵もまた、目に入るのと同じであり、また、あなたが米俵に注意を払う時、米俵を担いでいる人間を、容易に見る事が出来るのである。
(8-56につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html
<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版 中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>