<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
大蓮華辟支仏(Mahāpaduma Pacchekabuddha)
迦葉仏の時代、彼はすでに辟支仏となるための、波羅蜜を二阿僧祇と10万大劫の長きに亘って累積していた。
そして、身体が壊滅し、命尽きた後、彼は波羅奈王の司庫(=財産管理人)に生まれ変わり、国王の宝庫を管理した。
その一生の中において、彼は他人の姦通したのである。
その邪淫の不善業により、彼は死後、地獄に生まれ変わった。
地獄で苦を受けた後、彼は司庫の家の女児として生まれ変わった。
彼の母親は、懐胎の時期、いつも熱さを感じて苦悩した;
彼女は胎内にいて、同じ様に、熱さを感じて苦しんだのであるが、これは、彼女が地獄から、直接人間界に転生してきたのが原因である。
彼女は常にこの痛苦を覚えていた。
彼女は美しかったが、しかし、過去世の邪淫業の為に、彼女の父母さえも、彼女を嫌悪したのである。
その後、彼女は結婚したが、彼女の夫は、彼女を愛することはなかった。
みなさん、この物語によって、我々は、人々が、邪淫業を犯した人を、如何に嫌悪するかを覚えておく様に、という啓示であることが分かるのである。
彼女の夫は彼女を嫌い、彼女を守ることなく、その他の女性とお祭りに出かけた。
ある日、彼女は涙をためて夫に訴えた:
「転輪聖王の娘であっても、夫に満足して貰いたいと思って生きている。貴方の行いは、私を苦しめ、傷心で砕け散りそうだ。
もし、貴方が私を守るのが嫌なのであれば、私を実家に帰して下さい。もし、貴方が私を愛しているのならば、この様な不義な行動は止めて下さい。」
彼女はこの様に言って、夫にお祭りに連れていってくれる様頼んだ。
お祭りの日、彼女は夫がすでに公園に向かったと聞いたので、従者たちと共に、食物と飲料を持って、夫の後を追った。
道すがら、彼女は、滅尽定から出定したばかりの辟支仏に出会った。
辟支仏は、彼女を助けてあげたいと思った。
彼女は馬車から降りて、辟支仏の鉢一杯に食べ物を入れて、その後に辟支仏供養した。
辟支仏が彼女の供養を受け取った後、彼女は以下の様な願を立てて、衆生の形象の絵を、描きだした。
1、尊者、私は未来の一世毎において、蓮の花の中に化生したい。
2、未来の、一世毎に、皮膚が、蓮の花の色と同じでありたい。
3、未来の一世毎に、男性でありたい。
4、私に出会う人が皆、私を好きになって欲しい。
5、あなたの知っている法を、私もすべて知りたい。
なぜ、彼女はこの様に生命を願うのであろか?
というのも、彼女が母親の胎内にいた時、すでに胎内にいる苦しみを味わい尽くしたため、彼女は蓮の花の中に化生したいと願ったのである。
彼女は非常に、蓮の花の色を愛した為に、彼女は己自身の皮膚の色が、蓮の花の様であって欲しいと願った。
彼女は女性になることで各種の苦痛に出遭った為、彼女は女性である事を嫌い、故に生生世世、男性になりたいと願った。
父母も例外ではなく、誰でもが彼女を嫌ったために、誰でも彼女に出会う人は、彼女の事を好きになって欲しいと願った。
最後に、彼女は過去世において、すでに、充分な波羅蜜を累積していたが故に、辟支仏が了知している法を、自分も了知したいという願を立てた。
ここにおいて、彼女は生死輪廻の布の上に、一個の、すべての特徴を有する男性の形象を描きだしたのである。
その時、彼女の過去世の不善業の果報が消滅した。
彼女の夫は、忽然と彼女を思い出して、人に命じて、彼女を呼びにやった。
この時から、彼女の夫が非常に彼女を愛したばかりでなく、誰もが、彼女を好きになった。
この一世の後、彼女は天界の蓮の花の中に生まれ変わり、男性の天神になった。
その名を大蓮華(Mahāpaduma)と言う。
彼女は、天界の中において、上々下々と多くの世を流転した。
その後、帝釈天王の提言で、彼の最後の一世は、波羅奈王公園の中の蓮の花の中に生まれた。
波羅奈王の皇后に子供がいなかったが、公園の中の蓮の花を見た時、その蓮の花を非常に好ましく想い、人に命じて、それを摘み取らせた。
その結果、蓮の花の中に、一人の嬰児がいて、それは揺り籠の中で眠っているようであった。
彼女は嬰児を養うことにして、豊かな環境の中で育てた。
誰でも彼を見た人はみな、彼を、非常に好きになった。
宮殿では、2万人の女性が彼に従事した、というのも、国王が以下の様な宣告を発布したが故に:
この嬰児ーー大蓮華王子(Prince Mahāpaduma)ーーを保育出来る女性には、1000元の報酬を与える、と。
これが、なぜ宮殿には、これほどの多くの人々が彼に従事するのかという、理由である。
彼が13歳まで大きくなった頃、彼はこれらの従者に嫌悪を感じる様になった。
ある日、彼が宮殿の大門の外でふざけていた時、一人の辟支仏がこちらに向かってくるのを見たが、彼は、辟支仏に宮殿に行かない様にと言った、というのも、宮殿の人々は、宮殿に来て食べたり、飲んだりする人を虐めることがあるが故に。
その為、辟支仏は身を翻して立ち去った。
王子は心内で非常に後悔した。というのも、多分、辟支仏に失礼をしたのだと思い、象に乗って、辟支仏の住まいに向かい、彼に謝罪し様と思った。
道の途中で、彼は象から降りて、徒歩で向かった。
辟支仏の住居の近くまで来たとき、彼は従者全員を帰らせて、己一人で引き続き前進した。
彼は、辟支仏の住居に人がいないことを発見して、そこに座って観禅の修行をし、結果、辟支仏果を証悟して、諸々の漏を断じ尽くし、究極的な心の解脱に到達したのである。
こうしたことから仏陀は言う:
「故に、比丘たちよ。
常に己自身の心を反省しなければならない:
『長い時間、この心は常に、貪、瞋、痴によって汚染されてきた』
比丘たちよ。
衆生の心は煩悩によって汚染される;
衆生の心は清浄を通して、浄化される。」
次に素馨(Sumanā)の絵を見てみよう。
(10-29につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等ほぼ原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html
<中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>