南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#16-7

あなたは、心をして平静である様にし、白色の取相に専注する事、一時間、二時間、または三時間または更に長く・・・。もし、あなたが、この様に、あなたの心を取相の上に一時間または二時間、固定し続ける事が出来たならば、それは清らかに、明るく、光耀く様になる、これが似相である。

心をして、似相の上に、修習が成功するまで、一時間、二時間または三時間、維持できる様に決意し、かつ練習をする。

この段階において、あなたは近行定(upacāra)または安止定(appanā)に到達するであろう。

それを近行定と呼ぶのは、それがジャーナに近く、ジャーナの前に出現する為であるが、安止定はジャーナそのものである。

この二種類の定は、双方とも、似相を所縁としているが、二者の違いは、わずかの以下の情況の違いによる:近行定における諸々の禅支は、いまだ完全に展開されていない。この事が原因で、「有分」(bhavaṅga)が尚生起し、かつ、禅修行者をして「有分」に落ち込ませる。

禅修行者は一切が停止した、と言うが、場合によっては、これこそが涅槃であると誤解する事もある。

実際は、心は未だ停止しておらず、ただ、禅修行者が、いまだそれを覚知する充分な能力を有していないが為に(その様に誤解するのである)、というのも、有分心は非常に微細であるが故に。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>