もし、禅相が、あなたの面前の遠い所でしか出現しないのであれば、今は、その事を気にしない様にする。
というのも、それは消失するかも知れないが故に。
もし、あなたがそれに対して、知らぬふりをして、単純に接触点上の息に専注するならば、禅相は近くに移動してきて、かつ、そこに留まる。
禅相が接触点上に出現して、かつ、安定に向かい、また、禅相は息であり、息が禅相であるという場合であっても、余りに早くから、禅相に専注してはならなず、引き続き、息に専注する事。
あなたが、この様に息所縁に対して、持続的に専注するならば、息と禅相の二つは一に合一して、心は自動的に禅相の上に固定される。
この時、初めて、禅相に専注する様に。<注95>
この時、心をして禅相に固定させると、禅相は増々白くなるが、それが綿花の如く白くなる時、それは取相である。