南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

般若の独り言~自己肯定感の低い人

本日、ITのニュースを読んでいましたら、

「自己肯定感の低い人」向けの本が出ている、

という記事がありました。

私は、幼い時に、台湾人の母が(父も台湾人)、日本が嫌になったのか、父と諍いがあったのか、台湾に戻ってしまい、その後、10歳くらいの時に、継母が来ました。

幸い、祖母が賢明な女性で、私たち孫を懸命に守ってくれましたが、継子を差別する継母の言動で、家庭はひどく暗いものになりました。

それで、私も、思春期は、自己肯定感の低い人間だったのですが、それを救ったのは、一つは大学進学、もう一つは仏教の修行、です。

私は団塊の世代で、当時は男尊女卑、父が

「女の子は大学に行っても意味がない」

といい、兄弟の中では、次兄だけが進学したのですが、私は伝手を頼りに、一人東京へ出て働き、学費を貯めて、自力で大学の二部(夜間部)に進学しました・・・

大学は、勉強を教える所ではなく、勉強の仕方を教える所だった・・・

これが、暗記型、点取り虫型だった、私の頭を柔らかくしてくれて、のちのちの精神的成長の礎になりました。

仏教の修行では、入出息念(安般念、アーナパーナサティ)が、大変に役に立っています。

長年、入出息念を実践していると、心は外向きというより内向きになってきます・・・悪い意味の内気、内向的になる、という事ではなく、自省心、自制心が育つ事ですが・・・そして、自分の<心の癖>に気が付く様になります。

くだんの著書によりますと、自己肯定感の低い人は、マインドにバイヤスがかかり易く(=心にある種の偏向がある、すなわち、心の癖がある)、ありのままの自分を受け入れられない、との事です。

入出息念を実践すると、己自身の怒りや悲しみの沸き立つ時の、心の<初動スイッチ>に気が付いて、そのスイッチを入れる回数を、徐々に減らす事ができます。

仏教用語で言えば、入出息念は、心による<気づきの力>を育て、業(心の癖)を浄化する、という事でしょうか。

仏教用語で説明されると、反発を感じてしまう人は、心理学関連(気づき系)でよい本が出ているので、参考にされるとよいと思います。

<緬甸パオ森林寺院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>