如何にして生滅智を育成するか<注365>
<はじめに>
生滅智(Udayabbaya-ñāṇa)は、諸々の行法の生起と壊滅を知見する智慧である。諸々の行法とはすなわち:
内外及び過去、現在、未来における、名色、五蘊、12処、18界、四聖諦、縁起<注366>の事である。
生滅智は、実際には、二種類の智が含まれる:
1)縁(paccayato)に依る智:すなわち、諸々の行法の縁生と縁滅;
2)刹那(khaṇato)に依る智:すなわち、諸々の行法の、刹那生と刹那滅。
諸行法の縁生と縁滅を観照するため、あなたは、我々が前の講話で解説した所の、縁起法(例えば、第五法)に基づいて、観照を実践しなければならない。<注367>。
諸行法の刹那生・滅を観照するために、あなたは、すでに識別したことのある、一つひとつの世の、結生から死亡の間の、すでに識別したことのある、心路の中の、一つひとつの心識刹那の五蘊が如何に生と滅(を繰り返しているか)を観照しなければならない。
生滅智を育成するには、二種類の方法がある:
簡略法(ただ、諸行法の刹那生・滅性をのみ、観照する)及び
詳細法(諸行法の縁生縁滅性と刹那清生滅性を、同時に観照する)、であるが、ここでは、我々は詳細法をのみ、説明する。
詳細法による修行は、三つの段階に分けることができる:
1)生(udaya)をのみ観じる:
すなわち、諸行法の因縁生と刹那生。
2)滅(vaya)をのみ観じる:
すなわち、諸行法の因縁滅と刹那滅。
3)生・滅(udayabbaya)を観じる:
すなわち、諸行法の縁生、縁滅と刹那生、刹那滅。