南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#45-10

如何にして縁起第五法に基づいて生滅智を育成するか

生起随観の法

生滅智の詳細法の育成を開始する時、あなたは、繰り返し、諸行法の因縁生と刹那生を、観照しなければならない。これを生起随観の法(samudaya-dhammānupassī)と言う。

たとえば、先ほど提起した所の、縁起第五法に基づいて、色法の因縁生起を観照するものである。

その意味はすなわち、あなたは、再度、逆観によって、過去生の臨終の刹那に到り、今生の業生色法<注368>を引き起こした(udaya)所の、過去の五因を観照する、ということである。

あなたは、逐一、(1)無明、(2)愛、(3)取、(4)行と(5)業が如何にして生起し、かつ、(それらによって如何にして)今生の業生色法の生起が引き起こされるのかを、観照しなければならない。

次に、あなたがすでに識別したことのある、結生から死亡の間の心路の中の、一つひとつの心識刹那の業生色法の刹那生起を観照する。

このことは、あなたは、離心路心(vīthimutta citta)<注369>が生起(udaya)する時の五蘊、及びあなたが、かつて識別したことのある所の、その間に生起した所の、すべての六門心路(vīthi)の中の、一つひとつの心識刹那が生起する時の五蘊を、観照しなければならない、という事を意味している。

すでに識別したことのある一つひとつの過去生、及び般涅槃までのすべての未来世もまた、この様に観照する。<注370>。

次に、順序に従って、時節生色、心生色と食生色<注371>の因縁生起を観照する。

あなたは、以下の様に観照しなければならない:

心は、如何にして、心生色の生起を引き起こすか

時節は、如何にして、時節生色の生起を引き起こすか

食素は、如何にして、食生色の生起を引き起こすか。

一つひとつの種類毎の情況に対して、同じく、一つひとつの種類毎の色法の刹那生起を観照しなければならない。

完成した後、あなたは、同様の方法によって、名法の因縁生と、刹那生を観照しなければならないし、また、あなたがすでに識別したことのあるすべての過去生と未来世のすべての心路中の名色法の生起を観照しなければならない。

しかしながら、これらを詳細に列記するのには、非常に多くの時間を必要とする為、我々はそれらを略して、一つひとつの種類の情況下で、如何にして色法を観照するのか、について説明するにとどめた。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>