翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(2-5)(私家版)
系統的(統合的)に仏陀の教法を理解する
経蔵は仏陀による、契人契機的な教法である。
仏陀は、衆生の根器(性格・器量)に基づいて、色々ある教法の内の、その一つを選んで指導し、それをもって、道を明らかにする方便とした。
信根の強い者には、布施を教えた;
慧根の強い者には、直接四聖諦を教えた;
我々が、時折、仏陀の開示した経蔵の内容を理解する事が出来ないのは、(己自身の)根器が未だ、その境地に到達していないからである。
例えば、仏陀が「色」と言う時、「色」とは何であろうか?
四大と所造色を「色蘊」と呼ぶが、しかし、経蔵の中において、「所造色」の説明は、ない。
ただ、《アビダンマ論》 の中においては、非常に系統的統合的に、「所造色」とは何かという事が、分析されているし、かつ、「所造色」における、その生起の因と縁に関しても、解説してあるのである。
これが、(我々が)なぜ、《アビダンマ論》 を研究するのか、という理由である。
《アビダンマ論》 を研究すれば、系統的統合的に、仏陀の教法を理解する事が出来、経蔵の中において書かれてある、一切の知識のすべてを融合し、かつ通貫する事ができるのである。
(2-6につづく)
★句読点は中国語原文を優先尊重。
<願以此功徳、早日証得涅槃楽>
<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/
Paññādhika Sayalay 般若精舎>