Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(1-3)(私家版)

 

上座部仏教の正統的な伝統の中においては、《アビダンマ論》は、仏陀が教導したものであると認められている。世尊は、33天において、一万個の輪囲世界からやって来た諸々の天(神)に対して 《アビダンマ論》 を開示したものである(と考えられている)。

《アビダンマ論》は、仏教聖典の中の至上の宝である、と見做されている。というのも、それが、生存に関する真実、本質を開示したものであるが故に。衆生の、生存の本質とは、まさしく生・滅法であり、それは、因・縁和合の生・滅法でしかないのである。

《アビダンマ論》とはすなわちーー(生存の本質とは)ただただ、無常であり、無常の圧迫を受ける苦であり、主宰する我等ないのだという、因縁和合生滅法を開示したものなのである。

これが《アビダンマ論》全体が開示する所の、主要な課題である。

《アビダンマ論》はまた、仏陀の一切知智(sabbaññutāñāṇa)を最も明確に開示するものである。

この一切知智は、弟子の擁するものでなく、故に、《アビダンマ論》の大註疏の中において、以下の様に記載されている:

「《アビダンマ論》は弟子の範囲に属さない、純粋に仏陀の範囲に属するものである。」(1-4につづく)

★句読点は中国語原文を優先尊重。

    〈願以此功徳、早日証得涅槃楽〉

     <緬甸パオ森林寺院/ヤンゴン分院所属/

     Paññādhika Sayalay 般若精舎>