1、捨具五門転向心:
色塵が眼根を衝撃する時、最初に生起する所の心は、
「捨具五門転向心」という。
目標に転向した後、心は、即刻滅し去る。
衝撃したばかりの時は、いまだ目標が何であるかを明確にできない為、悦具は生起する事ができないし、また、憂具も生起する事ができない。
故に、捨具となる。
唯作心は、阿羅漢だけが擁するものではなく、ただ8個の欲界唯作心のみが、阿羅漢の専有となる。
我々凡夫もまた、五門転向心を生起させる。
たとえば、何か一個のものを見る時、あなたは即刻、それが何であろうか、と反応するが、これもまた唯作心である。
凡夫であろうが、聖者であろうが、心の中において、みな、捨具五門転向心と捨具意門転向心を生起せしめるのである。
(3-100につづく)
<願以此法布施功徳、早日証得涅槃楽>