■不善の概要 1.四漏(āsavā) 不善の概要の中には四種の漏(ǟsava)がある。(1)欲漏。(2)有漏。(3)邪見漏。(4)無明漏。。。 経典の中で屢々出てくる。。 阿羅漢を証すると「諸々の漏が已に尽きる」訳であるが、それは、この四漏の事である。 漏:パーリ語は「āsava」。意味は「流出するもの」。。 膿を持つ傷から膿が流れ出る様。又は長期間発酵した酒。漏である煩悩は、流れ出る物、と呼ばれる。というのも、それは流れ出た膿、久しく発酵した酒の様であるが故に。 諸々の注釈書において、それらが漏と呼ばれるのは、それらは、最高の生存地(無色界)に向けて流れるから、又は種姓を変更せしめるから、と言う。 道心心路過程の中において、未だソータパナを証していないのであれば、その前の心は、「種姓」と呼ばれる。。 四漏の内、欲漏と有漏は、貪心所に属する。欲漏は、欲楽に対して貪欲である事。有漏は、有(生存又は生命)への貪である。欲楽は外部にあるもの(色、音、香り、味、触、法)又は内部にあるもの(目、耳、鼻、舌、身体、意)があるが、全て欲楽の貪である。。。 有に対する貪とは、生命に執着する事を言う。邪見漏は邪見心所、無明漏は痴心所の事を言う。