南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(82ー1)(私家版)

■不善の概要             1.四漏(āsavā)             不善の概要の中には四種の漏(ǟsava)がある。(1)欲漏。(2)有漏。(3)邪見漏。(4)無明漏。。。         経典の中で屢々出てくる。。         阿羅漢を証すると「諸々の漏が已に尽きる」訳であるが、それは、この四漏の事である。                 漏:パーリ語は「āsava」。意味は「流出するもの」。。               膿を持つ傷から膿が流れ出る様。又は長期間発酵した酒。漏である煩悩は、流れ出る物、と呼ばれる。というのも、それは流れ出た膿、久しく発酵した酒の様であるが故に。                   諸々の注釈書において、それらが漏と呼ばれるのは、それらは、最高の生存地(無色界)に向けて流れるから、又は種姓を変更せしめるから、と言う。            道心心路過程の中において、未だソータパナを証していないのであれば、その前の心は、「種姓」と呼ばれる。。         四漏の内、欲漏と有漏は、貪心所に属する。欲漏は、欲楽に対して貪欲である事。有漏は、有(生存又は生命)への貪である。欲楽は外部にあるもの(色、音、香り、味、触、法)又は内部にあるもの(目、耳、鼻、舌、身体、意)があるが、全て欲楽の貪である。。。        有に対する貪とは、生命に執着する事を言う。邪見漏は邪見心所、無明漏は痴心所の事を言う。