南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(82ー12)(私家版)

7.7つの潜在的傾向(随眠)(ānusayā)             (1)欲貪が潜在傾向にある状態。(2)有貪(存在に対する執着)が潜在的傾向にある状態。(3)瞋恚(嫌悪)が潜在的傾向にある状態。(4)傲慢心が潜在的傾向にある状態。(5)邪見が潜在的傾向にある状態。(6)疑が潜在的傾向にある状態。(7)無明が潜在的傾向にある状態。潜在的傾向とは、属する所の名法の中に「潜伏」する煩悩を言う。諸々の縁が具足すると浮上して、問題化する。「潜在的傾向」と言う言葉は、諸々の煩悩が、未だ諸々の出世間道によって断じ除かれていない時、再度生起する事を示している。全ての煩悩は、「潜在的傾向」を持つと言えるが、しかそ、上に述べたものは、最も顕著なもの7種である。欲貪と有貪の二者は、「貪」の範疇に入る。その他は、個別の心所に属する。故に、合計6種の心所が潜在的傾向があると言う。