7.7つの潜在的傾向(随眠)(ānusayā) (1)欲貪が潜在傾向にある状態。(2)有貪(存在に対する執着)が潜在的傾向にある状態。(3)瞋恚(嫌悪)が潜在的傾向にある状態。(4)傲慢心が潜在的傾向にある状態。(5)邪見が潜在的傾向にある状態。(6)疑が潜在的傾向にある状態。(7)無明が潜在的傾向にある状態。潜在的傾向とは、属する所の名法の中に「潜伏」する煩悩を言う。諸々の縁が具足すると浮上して、問題化する。「潜在的傾向」と言う言葉は、諸々の煩悩が、未だ諸々の出世間道によって断じ除かれていない時、再度生起する事を示している。全ての煩悩は、「潜在的傾向」を持つと言えるが、しかそ、上に述べたものは、最も顕著なもの7種である。欲貪と有貪の二者は、「貪」の範疇に入る。その他は、個別の心所に属する。故に、合計6種の心所が潜在的傾向があると言う。