『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(8-2)
<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
《大念処経》の中において、仏陀は、受に関して名業処を修習する事は、
受随観(vedanānuvipassanā)に属すると述べ、その他の心所は、
法随観(dhammānuvipassanā)に属する、と述べている。
例えば、不善心所は五蓋(nīvaraṇa)の部分に属し、善心所は覚支(bjjhaṅga)の部分に属する等、である。
蘊の部分においては、仏陀はまた、比丘に対して、
受蘊(vedanākkhandha)、
想蘊(saññākkhandha)と
行蘊(saṅkhārakkhandha、50の心所に相当)を、照見する様に、指導している。
仏陀は、心に関して、名法を修習するのは、
心随観(cittānuvipassanā)である、と教える。
例えば、彼は以下の様に言う。
有貪心(sarāgaṃ cittaṃ)と
離貪心(vītarāgaṃ cittaṃ)を照見するべきであると。
これはすなわち、貪に相応する心を観照し、その後に、善、果報と唯作の諸心を、観照する事に他ならない。
また、仏陀は広大心(mahaggataṃ cittaṃ)と
不広大心(amahaggataṃ cittaṃ)を観照せよと述べたが、それはすなわち、色界と無色界ジャーナ心を観照し、その後に、欲界の諸心を観照せよ、という事を意味する。
仏陀は、この様な方式によって、81種類のすべての世間心を、八対の心に、帰納した。
ただし、残りの八種類の出世間心は、観の修習の所縁ではない。
(8-3につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。
<『涅槃証悟の唯一の道』パオ・セヤドー著(原題「証悟涅槃的唯一之道」)
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>