<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
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名業処
名法を了知するためには、先に、名法に関する基本的な知識を、知っておかねばならない。
我々はすでに、それらに関する、いくつかの基本的な知識に、言及した。
ゴータマ仏陀は、アビダンマの中において、名法は、所縁を識知する心(citta)と、若干の心所(cetasika)によって構成されている、と述べた。
心所は、合計 52個ある。
★52心所
★七つの通一切心所(sabbacitta sādhāraṇa)
1)触、2)受・・・等。
★六個の雑心所(pakiṇṇaka)
1)尋。2)伺・・・など。
★14個の不善心所(akusara cetasika)
1)痴(moha)。2)無慙(ahiri)。3)無愧(anottappa)・・・等。
★25の美心所(sobhana cetasika)
内、19の遍一切心所
1)信(saddhā)。2)念(sati)。3)慙(hiri)。
4)愧(ottapa)。5)無貪(alobha)。6)無瞋(adosa)・・・等。
内、三つの離
1)正語(sammā‐vācā)。2)正業(sammā‐kammanta)。
3)正命(sammā‐ājīva)。
二個の無量
1)憐憫(karunā)。2)随喜(muditā)。
一個の無痴(amoha)
1)慧根(paññindriya)。★
(★~★は、原文では表形式である。原文の表が複雑な為、簡略化して表記した)
心所は、単独では生起しない。
それは常に、心と、若干の心所と共に、生起する。
例えば、眼識と共に生起するのは、七個の心所である;
初禅に相応する所の出世間心と共に生起するのは、36個の心所である。
合計 89種類の心がある。
それらは、善、不善、無記の三種類に分類することができる。
また、欲界(kāmāvacara)、色界(rūpa‐vacara)、無色界(arūpavacaraと出世間地(lokuttarā‐bhūmi)に分ける事も出来るし、また、世間(lokiya)と出世間(lokuttarā)に分ける事もできる。
すべての心は、ただ一つの特相(=特徴)ーー己の所縁を識知するーーを持つが、故に、すべての心は、一種類の究極法であるとも言える。しかし、心に相応する心所に基づけば、心はまた、89種類に文分類する事ができる。
★89心
世間心(81)+出世間心(8)=89心。
または、不善心(12)+善心(21)+果報心(36)+唯作心(20)=89心。
(注1)非阿羅漢の心路の内においては、善心と不善心は、共に速行心である。
(注2)出世間心は、観智の所縁ではない。
(注3)唯作心は、阿羅漢においてのみ生起する。かつ、それは、阿羅漢の観智の所縁である。★
(★~★は原文では表形式である。原文の表が複雑なため、簡略化して表記した)
(8-2につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。
<『涅槃証悟の唯一の道』パオ・セヤドー著(原題「証悟涅槃的唯一之道」)
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>
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