Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳者(中→日)<実用アビダンマ>(82ー11)(私家版)

6.6蓋(nīvarāni)6種の蓋:(1)欲欲蓋(欲楽を欲求する蓋)。(2)瞋恨蓋。(3)昏沈睡眠蓋。(4)ジョウ挙悪作蓋。(5)疑蓋。(6)無明蓋。。

一般的に、禅修行の時、我々が聞くのは、5蓋である。しかし、《アビダンマ論》ではもう一つ、無明蓋を言う。無明は智慧の障がいになる為、無明蓋と言う。蓋とは天界又は涅槃へ行く道を阻害するので、この様に言う。注釈書によると、諸々の蓋は、今だ生起しない善法が生起するのを阻害し、又、已に生起した善法が長く保てない様にする心所であると言う。生起しない善法をば、生起させることが出来ないのも、全て6蓋が原因である。已に生起した善法も、蓋が顕現する事により、持久する事が出来ない。先の5蓋は、ジャーナを証する時の主要な障がいになり、この5蓋を克服出来たならば、ジャーナを証する事が出来る。もし、ジャーナを証する事が出来ないならば、この中の一つの蓋が、障がいになっているのである。6番目は、智慧が生起するのを阻害する主要な原因である。無明が生起するや否や、智慧は消えて無くなる。無明が智慧の生起を阻害するのである。