南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(97ー5)(私家版)

三輪転は、生死輪廻の方式を明らかにした。最も基本的な輪転は、煩悩輪転である。無明の覆いと渇愛の駆使の下、人々は、世間的な不善と善の業をなす。こそしてこの様に、煩悩輪転が業輪転を引き起こし、業が熟して果報の生ずる、その時には、業輪転が、果報輪転(異熟輪転)を引き起こす。これらの苦楽の果報に対して反応する時、無明に沈潜する人は、渇愛に征服されてしまう。そして更に多くの愉悦の体験を享受し、すでに得たものに執着し、又、苦痛な体験を避けようと試みる。この様な状況の中において、果報輪転は、もう一つ別の煩悩輪転を引き起こす。三輪転とは、この様に、不断に転回する。それは、無明が、諸々の聖道によって根本から取り除かれるまで、煩悩輪転は止むことがない。