翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(97ー5)(私家版)
三輪転は、生死輪廻の方式を明らかにした。最も基本的な輪転は、煩悩輪転である。無明の覆いと渇愛の駆使の下、人々は、世間的な不善と善の業をなす。こそしてこの様に、煩悩輪転が業輪転を引き起こし、業が熟して果報の生ずる、その時には、業輪転が、果報輪転(異熟輪転)を引き起こす。これらの苦楽の果報に対して反応する時、無明に沈潜する人は、渇愛に征服されてしまう。そして更に多くの愉悦の体験を享受し、すでに得たものに執着し、又、苦痛な体験を避けようと試みる。この様な状況の中において、果報輪転は、もう一つ別の煩悩輪転を引き起こす。三輪転とは、この様に、不断に転回する。それは、無明が、諸々の聖道によって根本から取り除かれるまで、煩悩輪転は止むことがない。