南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(97ー1/2/3)(私家版)

■四攝類                   過去の因、現在の果、現在の因、未来の果の四種を言う。無明と行に言及する時、愛、取、有もまたその中に含まれる。同様に、愛、取、有に言及する時、無明、行もその中に含まれる。生と老・死に言及する時、識などの5果もその中に含まれる。心の中の無明が未だ断じられていない時、愛と取が生起する。愛と取が生起する度に、無明を根本として、かつ無明と倶行する。次に、「行」と「有」の二句は、同じ種類の究極法を指している。即ち、業をなす所の思である。故に、毎回、この句が言及された時、もう一つも含むものとする。20法の中において、個別に生と老・死を取り上げていない。というのも、それらは、名色の相であり、究極法ではないが故に。究極法を代表するのは、識から受までの、5個の縁起支である。                ■三連結                1.過去の因(行)と現在の果(識)の因果連結:「縁於行、識生起」。行は過去の因、識は現在の果。           2.現在の果(受)と現在の因(愛)の因果の連結。「縁於触、受生起」。「縁於受、愛生起」。受は現在の果、愛は現在の因。                  3.現在の因(有)と未来の果(生)の因果連結:「縁於取、有生起」、有は現在の因、生は未来の果。有は業てあり、行でもある。というのも、「有」というこの因の為に、未来の果ーー新しい生命が始まるが故に。                ■三輪転                1.煩悩輪転:無明、愛と取を含む。煩悩の関係て、衆生は業をなし、業輪転を引き起こす。               2.業輪転:行と有を含む。業をなすが故に、業力が残り、業力が熟した時、果報が生じる。結果、果報輪転が生起する。   3.果報輪転:識、名色、6処、触、受を含む。