南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(99ー1)(私家版)

第九章 業処の概要            ✥業処✥                 業処はニ種ある。止禅と観禅である。業処(kammattānaーtt下点。以下同様。)は「作業の地」又は「仕事の地」という意味である。この一句で、禅修行の方法を表しており、禅修行者が特別な成就を育成する所の、作業の場所である。仏教の中において、二つに大きく類別される禅法がある。止禅と観禅である。この二者の中において、観禅は仏教に特別に存在する所の禅法であり、この禅法を修する目的は、即ち己自ら仏陀が発見し、かつ教えた所の四聖諦を体験する事である。仏教ではない宗派においても、止禅はあり、インドでは非常に多くの人々が、止禅を修している。菩薩が、未だ仏陀の境地を証していない時、二人の大禅師に師事して、止禅即ち無所有処と非想非非想処まで、学んだ事がある。後に彼はこれでは徹底的に煩悩から解脱する事は出来ないことを発見し、止禅は解脱の道ではない、と考えた。故に、二人の師から離れ、不死の道を探し求めた。そして最後に菩提樹の下で、悟りを得たのである。止禅は仏教特有のものではないものの、それでも仏教の中において止禅を教える目的は、止禅によって培われた定力を、観禅を修行する時の強固な安定した基礎とする為である。これは非常に重要である。何故、止禅を修しなければならないか?仏陀は言う:「定のある者は真実の法を如実に知見する事ができる。」この事が原因で、故に、我々はは先に止禅から始めて定を育成し、定を通して智慧を発展・展開せしめる。。。                  この、二種に大きく分けた所の業処は、皆それぞれ固有の修行方法及び範囲がある。以下において解説する。