Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

是誰庵日記>不条理か?

今日、水中運動から帰って、もうすぐ我が家、という辺りのあぜ道を

歩いていたら、近所のおじさんに出会った。

彼は、あぜ道に埋まっている大きな石や、不要なパイプ(この辺りは

温泉が出るので、やたらパイプ類が埋まっている)を掘り出して、

あぜ道を整備していた。

そして「この辺りの土地は5人で持っているのに、片付ける

のはいつも俺ばかり」「こんな不条理な事があっていいものか」

と言いました。

私は「世の中は元々、不条理にできている」と返事しました。

私は本当に、世の中は不条理にできていると思います。

私自身、物心ついた時は母がいませんでしたし(祖母が育ててくれ

ました)、兄は大学に進学しましたが、その直後家業が傾いて

「女は大学に行く必要なし」と言われ、後々働いてから、

大学は自力で進学しました。父が亡くなって、遺言通り遺産が

もらえるかと思ったら、これがもめて、結局は<放棄>(苦笑)。

でもよく考えたら、不条理な事ってもっともっとありますよね。

子牛は農家に買われて「ヤレヤレ、ここで幸せになろう」と思って

いたら、一年後には売られて枝肉に・・・。お米は一粒から千倍の

実をつけて子孫を増やそうと頑張ってみたら、秋になって全部刈り

取られて、人間様のお口に・・・、金子みすずさんじゃないけれど、

我々が大漁だ大漁だと躍り上がっている時は、海では盛大なお葬式

なんですよね。

<あざみ草 わが身の針を知らずして 花と思いし 今日の今まで> 

という歌がありますが、われわれは加害者にもなり、被害者にもなって

生きているのだなぁ、もともと誰にとっても、世界は不条理なんだ

な、と私は思うのですよね(強者には強者の悩みがあるし・・・)。

そんな中で、それだからこそ、自分のできる事は、進んで行う。

行うと決めたなら、心楽しく行動する。

そういう風にしていると、この世もまんざらでもないな、

と思えてくるから不思議です。

追補:ブッダは涅槃を説きました。4次元世界からの離脱です。

彼は「4次元世界には危険が一杯。どんなに頑張っても幸せには

ならない」「国家というのは重税を課す所で、人々はつねに重税

に喘いでいる~税は虎よりも怖いもの」と言っています。

一国の王子だった釈尊さん、若い頃からすでに、世俗世界の不条理性を

見抜いていました。すごいです(笑)