Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

パオ・セヤドー問答集~#073>問答(七)問7-13

☆11月より長期リトリートに入る為、公開の翻訳文が少し多くなっています。よろしくお願いいたします。

#073-150818

問7-13 禅師、修行進捗階梯図表13について解説して頂けますか?もし、このシステムで修行したなら、30種類以上の業処の修行をする事になりますが、このようにするのは、何か利益がありますか?

答7-13 私は修行進捗階梯図表に興味はありません。ある一人の教師が、図表が好きで、彼がその図表を作りました。ここにある図表は、その教師の図表に従って出来上がったものです。多くの種類の止禅の法門を学びたい人には、私は多くを教えます。すべての修行の法門を学びたいと思わない人、ただ一種類でよいと思う人、たとえば安般念(ānāpānassati)を希望する人には、私は、一種類の止禅法門しか教えません。そのジャーナを基礎として、私は直接観禅(vipassanā)に転向するように教え、その後に、系統的に修行を前に向かって進めます。止観を修行する過程で、ある時には障礙が生じます。たとえば、貪欲(rāga)、瞋恚(dosa)、散乱(vitaka)等です。これらはあなたの禅定と観禅(vipassanā)に影響を及ぼします。下記の修行の法門は、これらの障礙を取り除くための最良の武器です。

《弥醯経 Meghiya Sutta》の中で、仏陀は以下のように指導しています。

  1. Asubhā bhāvetabbā rāgassa pahānāya:貪欲(rāga)を取り除くためには、不浄観(asubha-bhāvanā)を修行する事;
  2. Mettā  bhāvetabbā byāpādassa pahānāya:瞋恚または憤怒(dosa)を取り除くためには、慈心観(mettā-bhāvanā)を修行する事;
  3. Ānāpānassati bhāvetabbā vitakkupacchedāya:散乱妄想(vitakka)を断つためには、安般念を修行する事。

 

専一の心は、究竟法(paramattha-dhamma)を如実に透視する事ができます。禅定の修行中、八定(samāpatti)は非常に優れていて、力があります。故に、八定を徹底的に修行したいと思う人には、我々は十遍禅も指導します。もし、階梯表にある体系を徹底的に理解したいのであれば、あなたは止観を修行して、道智と果智まで到達しなければなりません。その時あなたは、この表を完全に理解するでしょう。

どうして私がこの表に対して興味がないか?たった一枚の紙の上では、全体の修行体系を書き表す事はできないからです。私は緬甸(ミャンマー)語13を用いて、3600ページ以上の修行体系全体の解説を行いました。これ一枚では、足りないのです。(完)

(翻訳者注:上記の修行階梯図表は、「菩提樹文庫」で見る事ができます)

(翻訳文責 Pañña-adhika sayalay)

初めてご来訪の方へ:上記は、台湾より請来した「禅修問題与解答(パオ禅師等講述)」(中国語版)の翻訳です(仮題「パオ・セヤドー問答集」)。「智慧の光」「如実知見」の姉妹版として、アビダンマ及びパオ・メソッドに興味のある方のご参考になれば幸いです。(一日又は隔日、一篇又は複数篇公開。日本及び海外でリトリート中はブログの更新を休みます)。