問6-5:
至上願(abhinīhāra)を発しようとする人は、
先に、8項の条件を備えていなければなりません。
その中の2項目は、男性として生まれることです。
仏陀も、女性は仏になることはできないと
言いました。しかし、ヤソーダラは、2万億尊
の仏の面前で、菩薩の願を発しました。
彼女はどのようにしてその願を成功させる
のでしょうか?
答6-5:
彼女は、菩薩になりたいというを願を発してはいない。彼女は、ただ、我々の菩薩が円満に波羅蜜を成就するのを助けたい、という願を発しただけである。それはちょうど、今回のリトリートで、ボランティアをしている人と同じなのである。
女性が仏になることができないのは:女性の身で仏に成ることはできないという意味である。
しかし、女性は、先に男性に生まれ変わることはできる。男性に転生した後、もし、8項の条件を具足するならば、彼は仏陀から授記を受けることができる。授記を受けた後に、彼は少なくとも四阿僧祇劫と10万大劫の時間を使って諸々の波羅蜜を履行しなければならない。波羅蜜が熟した時、彼は仏になることができる。
菩薩が授記を受けた後、女性に生まれるということはなく、仏に成るまで、ずっと男性として転生する。しかし、彼が授記を受ける前であれば、時には女性に転生することはある。
問6-6:
菩薩はすでに多くの生、多くの劫において修行しています。そして観智は、阿羅漢よりなお強いです。ゆえに聖者であるべきなのに、なぜいまだに凡夫であると、言われるのですか?
答6-6:
菩薩の聖道智は必ず、一切知智(sabbaññutāñāṇa)と同時に生起しなければならない。一切知智を証する前、彼の波羅蜜は聖道と聖果を証するまでには熟していない。そして、いまだ聖道を証していない人は、皆凡夫であって、それは修行して、行捨智に到達していても、なおそうである。
問6-7:
どうして仏陀は、すべての弟子に、行捨智まで修行して、その後に至上願を発し、菩薩道を修して、仏になるように指導しなかったのですか?
答6-7:
この問題は、仏陀本人に聞いてもらいたい。
多くの経の中で言われている事は:
仏陀が世に出た本懐は:衆生に生死輪廻から離脱させ、老、病、死などから離脱させることである。
仏陀の本懐とは:本人自身、四聖諦を悟ったので、弟子たちにも四聖諦を悟ってほしい。
彼自身が生死の苦海を渡ってきたので、弟子たちにも生死の苦海を渡ってほしい、と願ったのである。
これが仏陀の本懐である。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(つづく)
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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>