【対象】
(+この書は)定と慧のレベルを高めたいと思う、すべての修行者ーー解脱道行者と菩薩道行者の両方を含む、を対象とする。
この本で語られているのは、原始仏教の止観であり、あなたは、密教の修行をしている人、または長年、北伝仏教の無上の法を修行している、老練の修行者かもしれない。
しかしながら、実際のことを言えば、仏法の真髄ーー原始仏教の教法ーーを知れば、あなたは、元々、仏法に関して知っていることは少なく、原始仏教が保存してきたのは、かくの如くの広くてかつ深く、また、科学的な時代にも合致する止観禅法であることが、知れるのである。
【止禅ーー現代における仏教者の良薬】
現代における仏教者の一つの共通した問題は:
心がいつまでたっても落ち着かない、という事にある。
多くの法を聞き、また納得もしていても、体験的な証悟に関しては、何かしらぼんやりとしていて、確実なものが、つかめない。
我々は、物質的な爆発を許している時代に生きる現代人であり、際限のない、感官の誘惑に巻き込まれているし、また、我々は、情報の爆発を許している時代に生きる現代人であり、我々は、止まることを知らない文明の情報に、流されて生きている。
これらのすべてが、我々の心を、心猿意馬・・・猿のようにもし、馬のようにもする。
我々の心は非常に散乱しており、時々刻々、安定する事を知らない。
故に、止禅は、現代人に共通する病を治す良薬であり、現代の仏教者は、この修行に、なにより時間を割けなければならない。
《掌中の葉ーー清浄道論実修ハンドブックーー止禅に関して》という、この書を通して、止禅を修行することによって、人々が安心して歩める、健全で逞しい大道、道筋を示すことができ、また、修行者が順調に定力のレベルを高め、智慧の育成と解脱の追求、弘法して人々を利益するための、深くて厚い基礎とされんことを。
みなさんの修行が前進し、仏法が、久しく世の中にとどまるようにと、祈願して。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(1-8につづく)
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<「掌中の葉」(シッダッタ学院)中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>