二、近行定
それを「近行定」と呼ぶのは、それが止禅に向かう入り口であり、また観禅への入り口でもあるからである。
それが観禅の修行に用いられるとき、伝統的に、それは「刹那定」と呼ばれる。
この段階の特徴、それは、元々の相に専注するかまたは(ある種の業処について言えば)似相という一種の安定した定に専注する事である。
この段階において、修行者は、己の内部または周辺で起きている事柄を知っているが、しかし、影響を受ける事はなくなる。
ここにおいて、修行者は、引き続き、止禅を修行するのか、観禅の修行に変更するのかを、選択することができる。
もし、観禅を修習すると決めたらならば、この段階の定力(近行定または刹那定)は、一切の現象と過程(一切の有為法)に対する正念による観照の修行に用いることができ、それによって、生命の本質に対する更に緻密な、更に完全な、更に直接的な覚知を育成するのである。
もし、引き続き止禅を修習するのだと決めたならば、この段階の定力を、強化また純化する事を通して、修行者は最終的に、安止定(ジャーナ)を証す得ることができる。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(1-39につづく)
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<「掌中の葉」(シッダッタ学院)中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>