パオ・セヤドー講述「顕正法蔵」(翻訳文)5-54
<Idaṃ me puññaṃ nibbānassa paccayo hotu>
8-6-4-1 択法覚支を生起させる七種類の方法
上記以外に、択法覚支を生起させる七種類の方法がある:
1、パーリ聖典に関する意義の問題を考察し、註疏(=注釈)を学習し、疑問について、教えを乞う。
2、清浄なる依処(身体や衣服の清潔など)。
3、五根のバランス。
4、愚かな人から、遠く離れる。
5、智者に親しむ。
6、思惟する時、奥深い智慧の境に、思いを馳せる。
7、択法覚支を育成することを決意する。
智者に親しむとは、四聖諦と縁起を、すでに徹底的に知っている聖者と親しむ事。または、すでに、止観禅の修行に成功した智者と、親しむ事を言う。
思惟する時、奥深い智慧の境に思いを馳せるとは、五蘊、12処、18界、四聖諦、縁起を思惟し、また、それを知るには奥深い智慧が必要とされる究極法の本質ーー無常・苦・無我ーーが書かれている経典を示すことを言う。
8-6-4-2 精進覚支を生起させる11種類の方法
精進覚支を生起させる11種類の方法がある:
1、四悪道の苦しみの恐ろしさを思惟する。
2、世間及び出世間を成就する事によって得られる利益を理解する。たとえば、ジャーナ、観智、四聖道智、四聖果智など。
3、実践する道を思惟する:
「私が行く道は、諸々の仏、諸々のパーチェカ仏、諸々の大弟子が実践した、涅槃へ向かう道である。怠惰な者は、この道を行くことはできない」と。
4、施者として、大果報を齎すことを通して、鉢で食物を受けるに相応しい者(=托鉢僧)になる。
5、導師の偉大さを思惟する:
「私の導師は、精進を讃嘆している。
我々に極めて助けになり、利益のある無上の教えに対して、敬意を表するには、かならず修行を通してであり、他の方法で、それに敬意を表することはできない。」
6、遺産の殊勝さを思惟する:
「私が獲得しようとしているのは、正法と呼ばれる巨大な遺産であり、それは、怠惰な者が獲得できないものである。」
7、光明想を通して、また姿勢の転換、露天に行く、または、その他教えられた方法によって、昏沈と睡眠を取り除く。
8、怠惰の人から遠く離れる。
9、精進する者と親しむ。
10、正勤を思惟する。
11、精進覚支を育成すると決意する。
(5-55に続く)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。
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<パオ・セヤドー「顕正法蔵」2008年中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>