南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

☆「掌中の葉」(翻訳文)3-4

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

(一)彼は、親身で、まじめで、尊敬できる人である

あなたとこの先生は、非常に強い因と縁がある必要がある(業の繋がり)。

通常、非常に強い業の因と縁の繋がりにより、あなたは、あなたの先生に対して、真心を持って、彼を敬愛することができる、と感じるであろう。

それだけではなく、通常、あなた方には、共通の好みの領域があったりする。

たとえば、あなたが智力の強い傾向のある人だとしたら、あなたは当然、あなたの先生が科学的な研究・資料を用いて、あなたに(+仏法を)教える事に、喜びを感じるであろう。

もし、あなたが持戒と徳行の人であれば、戒律に精通した人が、あなたの教師として相応しいであろう。

(二)話す言葉が温和な人

彼は必ず、あなたに対して、慈愛と憐憫の心を持っているに違いない。彼があなたに対して、慈愛と憐憫の心を持つとき、彼はあなたに対して、飽くことなく教え導くであろう。

通常、良い修行者は、独居生活を好むものだが、しかし、学生の利益のために、彼はしばらくの間、己自身の好みを放棄し、あなたを教え導く。

(三)奥深い論談のできる人

彼は、非常に智慧のある人である。

すべての説話は、深い思惟と、十分で本物の体験と悟りに基づいていて、本に書かれた事柄を、曖昧なまま、いい加減に説明する、という事はない。

(四)何の理由もないまま、あなたを急かせたりしない

彼はあなたより知っていることが多い。証悟した境地もあなたより高い。

故に、彼があなたを急かせるとしたらば、それは、あなたの修行における境地が向上するようにという見地から、である。

(五)彼は心から人を利益したいと考え、人が進歩することに、重きを置いている

あなたが修行上において、進歩があったとみられると、彼は非常に喜ぶであろう。

ちょうど、人の親が、己の子女が人類に貢献できる人間になって欲しいと願って、一生苦労しても、養育し、また教育するが如くに。

同様に、良い教師が最も心にかけるのは、学生の禅の修行上の利益と成就であり、彼個人の利益、名誉や栄誉のためでは、決してない。

彼は心底、あなたの修行を気にかけ、あなたが「いつ」「どのように」涅槃を証悟できるかを、気にかけている。

彼の心はただ、どのようにすれば、あなたに、涅槃を証悟するための支援ができるか、ということだけに関心がある。

◆結論:

(一)初心の修行について言えば、最も良いのは、非常に善い先生について、止禅と観禅の要点を学ぶことである。

(二)善い先生(善友)は、以下特徴を具備している:

1、彼は、親身で、まじめで、尊敬できる人である。

2、彼は話をする時温和である。

3、彼は奥深い理論を論談することができる。

4、彼は理由もなく、あなたを急かしたりしない。

5、彼は真心から、人を利益したいと考えており、人が進歩する事に重きを置いている。

(3-5につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ

★誤字脱字を発見された方は、<菩提樹文庫>まで。

ご協力、よろしくお願いいたします。

<「掌中の葉」(シッダッタ学院)中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>