南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

パオ・セヤドー講述「顕正法蔵」(翻訳文)5-76

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

同様に、比丘たちよ。

ここにおいて、ある愚鈍な比丘が、行き先への知識がなく、また、欲楽からの完全な遠離、不善なる法からの完全なる遠離がないまま、尋、伺、喜、楽及び静寂で楽の生じる初禅に入り、安住する。

彼は、当該の相(ここでいうのは、安般念の似相である。本書の初めに解説済み)を、重複し(+て体験し)ないし、それを進展・強化も育成もしようしないし、正確に確立させようともしない。

彼は思う:『尋と伺を取り除いた後、私は尋と伺がない、心の内に確信のある、心の専一した、喜および静寂によって生まれる楽(+である)第二禅に入り、安住したならば、どうであろうか?』

彼は、尋と伺を取り除く事ができず、尋と伺の無い、心の内に確信のある、心の専一した、喜および静寂によって生まれる楽(+である)第二禅に進み、安住することができない。

その時、彼は思う:

『欲楽から完全に遠離し、不善なる法からの完全に遠離し、尋、伺、喜、楽及び静寂で楽の生じる初禅に入り、安住しよう!』

彼は、完全に欲楽から遠離することはできず、完全に不善なる法からの遠離することはできず、尋、伺、喜、楽及び静寂で楽の生じる初禅に入り、安住することはできない。

この比丘は、この二者の間で滑落し、落下した人、と言われる。

それはちょうど、愚鈍な牝の野生牛が行先の知識なく、また、多くの崖のある山を歩く方法を知らないのと同じである・・・」

(≪増支部≫)

こうしたことから、あなたは先に、初禅に関する、すべての五自在を掌握しなければならない。

故に、あなたには、初禅に安住する時間が不断に増加するよう、(+努力)していただきたいのである。(5-77につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>

まで。ご協力、よろしくお願いいたします。

<パオ・セヤドー「顕正法蔵」2008年中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>