南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

「身念処」1-67

     <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

1-9 サマタと vipassana 修法の違い

二種類の修行方法があり、それはサマタとvipassana 修法である。

サマタ修法

1)真実の自性は定で、平静な心の状態を生じる(+ことができる。)

2)修行の所縁は仮法(伝統的実相)で、それは例えば、何か一つの遍処を所縁とするようなもの(遍処の円形の盤を見る等)。

3)サマタの特徴は、掉挙の現象から遠く離れる事。

4)サマタの作用は、五蘊(ママ:五蓋の誤記か?)すなわち:貪欲、瞋恚、掉挙、昏沈と疑惑を降伏する事。

5)サマタの結果は、心の一境性。

6)サマタの効果は、心の無貪欲、かつ、サマタ(定)に対して満足と楽しさを感じる事。

7)サマタの利益は、この生において、三摩缽提(八個の次第の禅定)を成就できる事、心は無貪無瞋で、非常に清浄で、来世は梵天(梵界)に生まれる事が出来る。

8)サマタについて言えば、一度に一つの所縁と二つの根しかない。例えば目根と意根(例えば、遍処を観るまたは見える物を見る時)または鼻触と意根、それは例えば安般念(呼吸を観る事)である。

9)経典によると、修行者は、サマタの修行をすると決定した時、先に己がどのような種類の性行(性質の指向性)に属するかを理解しておく必要がある。

①貪の性行。

②瞋の性行。

③痴の性行。

④信の性行。

⑤慧の性行。

⑥覚の性行。

その後に、《清浄道論》を参考にして、修行者の性行に合わせて、それぞれ、対応する法門を選ぶ。例えば貪の性行に属する人は、不浄観を修習するのがよい、など等々。

(1-68につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<原題「身念処」Vipassana Bhavana 第二版 アチャン・ネン著

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>