<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
②
ネン:
あなたの修行の進み具合は、如何ですか?
修行に関して、何か疑問がありますか?
学生:
私は修行する時、四種類の姿勢の中から、比較的修行しやすいものを選んでいます。
たとえば、歩く姿勢、です。
このように修行しても、大丈夫でしょうか?
ネン:
それは良いです。
しかし、あなたは注意をして下さい。
もし、あなたが、歩く姿勢が、比較的好ましいと思うならば、これは貪念です。
故に、あなたは如理作意を保持して、姿勢を変えるのは、苦を治する為である事を観照して下さいーーこのようにすれば、貪念は出てきません。
学生:
私が修行するのは、身体の苦の為ではありません。
それは心の為ーー私は(+心の)イライラによって、姿勢を変えるのです。
ネン:
それは間違いです。
あなたは、煩悩によって姿勢を変えています。
あなたは、苦が原因で、それゆえ、あなたは姿勢を変えざるを得ないのだ、という事を観照するのだという事を、如理作意を用いて、実践していないのです。
あなたは、あなたの心が、なぜイライラするのかを知っていますか?
あなたは心をして、座る姿を観照する事に、安住させていないからです。
安住しなければ、あなたの心は不安になります。
あなたの心が不安である時、煩悩はやってきます。
あなたは軽率になり、不注意になりますーーその時、煩悩は踵を接してやってきます。故にあなたは、姿勢を変えて、様子(=修行の具合)を見てみたいと思うのです。
もし、あなたが貪念でもって、姿勢を変えるならば、煩悩はその中に隠れてしまい、道は見えなくなります。
あなたは貪念でもって修行しており、それはあなたが、成就を急いでいるのが原因です。
あなたは、姿勢を変える時、煩悩が混じっていないかどうかに、注意を払って下さい。
(6-3につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<原題「身念処」Vipassana Bhavana 第二版 アチャン・ネン著
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>