南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

「身念処」6-2

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

ネン:

あなたの修行の進み具合は、如何ですか?

修行に関して、何か疑問がありますか?

学生:

私は修行する時、四種類の姿勢の中から、比較的修行しやすいものを選んでいます。

たとえば、歩く姿勢、です。

このように修行しても、大丈夫でしょうか?

ネン:

それは良いです。

しかし、あなたは注意をして下さい。

もし、あなたが、歩く姿勢が、比較的好ましいと思うならば、これは貪念です。

故に、あなたは如理作意を保持して、姿勢を変えるのは、苦を治する為である事を観照して下さいーーこのようにすれば、貪念は出てきません。

学生:

私が修行するのは、身体の苦の為ではありません。

それは心の為ーー私は(+心の)イライラによって、姿勢を変えるのです。

ネン:

それは間違いです。

あなたは、煩悩によって姿勢を変えています。

あなたは、苦が原因で、それゆえ、あなたは姿勢を変えざるを得ないのだ、という事を観照するのだという事を、如理作意を用いて、実践していないのです。

あなたは、あなたの心が、なぜイライラするのかを知っていますか?

あなたは心をして、座る姿を観照する事に、安住させていないからです。

安住しなければ、あなたの心は不安になります。

あなたの心が不安である時、煩悩はやってきます。

あなたは軽率になり、不注意になりますーーその時、煩悩は踵を接してやってきます。故にあなたは、姿勢を変えて、様子(=修行の具合)を見てみたいと思うのです。

もし、あなたが貪念でもって、姿勢を変えるならば、煩悩はその中に隠れてしまい、道は見えなくなります。

あなたは貪念でもって修行しており、それはあなたが、成就を急いでいるのが原因です。

あなたは、姿勢を変える時、煩悩が混じっていないかどうかに、注意を払って下さい。

(6-3につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。ご協力、よろしくお願いいたします。

<原題「身念処」Vipassana Bhavana 第二版 アチャン・ネン著

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>