南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

般若の独り言~べき論を超えて

若い頃の私は、正義感が強くて、<べき論>が好きでした。

男性ならこうあるべき、女性ならこうあるべき。

ただし、フェミニストでしたから、女性の地位向上を目指しての<べき論>でしたけれど。そして、当然、仏教徒ならこうあるべき、という<べき論>も。

でも、最近思うのですが、人は十人十色、千人千色。

この人に説いて分かることが、あの人に説いて分からない。あの人に説いて分かることが、この人には分からない。

皆さん、私自身も含めて、長い輪廻に中で積み上げた業(心の癖とその癖によってもたらされる行動・結果)に

がんじがらめになっていて、ニッチもサッチもいかない。

私は、自分の周辺に起こる出来事、ものごとのすべては、皆自分が悪いのだ、という極端な自虐論は採りませんが、その事、そのものに出会うのは皆、己自身の業が基本になっている、と思えば、よりよい人生を手繰り寄せるには、己自身の業を浄化・昇華することより他に、方法はないことが知れると思います。

仏教徒は愚痴(=口でいう愚痴と無知・愚か)をやめて、己自身の内面を見つめるのが仕事。その方法は十人十色、千人千色、自分自身で見つけ出さねばなりません。

仏教は依存の宗教ではなくて、自立(自律)の宗教なのです。

  <緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>