南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

般若の独り言~宗教的依存症

本日、WEB上のニュースを見ていましたら、先般亡くなられた樹木希林さんをモデルにした、新聞広告が出されたそうです(宝島の広告)。

一つは「地球にさようなら」というもので、もう一つは「あとは自分で」という風なもの(私は新聞を取っていないので、新聞自体は、見ていない)。

その中で、樹木さんは「私の話で救われるっていう人がいるけど、それは依存症」と言っています。

私も仏典を利用して、色々なダンマトークをしますが、

<宗教的深いい話>に依存的になってはいけないのです(依存症である以上、宗教的依存症は、ギャンブル依存症アルコール依存症、性的依存症などと、同じものなのです)。

昔、日本の禅宗の僧侶で、ご自分の法話が終わると『今の話、ぜ~~んぶ嘘』と言って、〆ていた方がいたそうですが、私は<なかなか見識のある僧侶だな>と思います。

他人が「こういう話を聞いて救われた」「こういう修行をして救われた」のと、あなたが救われるのは、まったく別の次元の話なのです。

ご自分のどこに問題があるのか、人生のどこが納得いかないのか、何で気持ちがワサワサとして落ち着かないのか・・・それらは皆、ご自分の中にある問題であって、

解決策が己の外部にある訳ではないのです。

アチャン・チャーが言うように「本の中に真実はなく、真実はあなたの心の中にある」のです。テーラワーダがお好きな方も、大乗がお好きな方も、密教がお好きな方も、宗教的依存症には、ご注意下さい。

 

  <緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>