Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

『涅槃証悟の唯一の道』★パオ・セヤドー著(6-9) 重要必読

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

覚えておいて欲しい事:

入出息念を成就させる為に、強くて力のある念(sati)と正知(sampajāna)は、決して、欠かす事のできないものである!

これが、仏陀がなぜ、念と正知に欠けた人間に対して、入出息念を教えなかったのか、という理由である。

あなたが、強くて力のある念と正知を、息の中に投入する時、あなたはその始め、中間、最後までの、微細な息を知る事ができるであろう。

ただ只管、怠けずに続けていくならば、禅相はやがて出現する。

それが出現したばかりの時、すぐに心を禅相に移してはならなず、引き続き息に(+おいて念を)保ち続けるべきである。

ある種の禅修行者の場合、智慧の光が先に出現し、その後にようやく、禅相が出現する。

ある種の禅修行者の場合、禅相は直接、出現する。

しかし、智慧の光と禅相は同じものではなく、それはちょうど、太陽の光と太陽とは別の物であるのと同じである。

智慧の光の源は、禅相の源と同じであり、それは二者とも専注する心によって生じるが、それはジャーナ及びジャーナに非常に近い所の定力を含むものであって、それはすなわち、遍作定と近行定である。

智慧の光と禅相は、同じ専注の心から生じるとは言うものの、それらの出現する方式は異なっている。

智慧の光は、顔面や身体の周囲など、呼吸から離れた場所に生じることがあるが、しかし入出息禅相は、ただ呼吸と共に、接触点においてのみ、生じる。

あなたの定力が益々深くなる時、それは強固で安定したものになり、最終的には呼吸と禅相は融合して一体になる。

上記は、シャーリープトラ尊者が《無礙解道》(Paṭisambidhāmagga)の中に述べた解釈である。

(6-10につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。

<『涅槃証悟の唯一の道』パオ・セヤドー著 (原題「証悟涅槃的唯一之道」) 

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>