『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(6-19)
<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
禅支とは、初禅心と共に生起する所の、五つの心所であり、実際には、それらは慧根を含むその他の28個の、入出息初禅心と同時に、生起するものである。
しかし、仏陀は初禅の説明をするに、ただ五つの禅支にのみ言及した。
というのも、それらが最も明確であるが故に。
それらが共に、ジャーナを構成するのである。
五禅支をどの様に識別するのか?
心をして、入出息似相に一時間、二時間、または長時間、専注せしめる。
そして、まず先に、意門(manodvarā)を識別する。
意門とは何か?
前に述べた如くに、人間の世界では、名法は必ずや心臓の中にある、ある種の、心所依処と呼ばれる所の色法に依存して初めて、生起することができる。
我々はまた先に、色彩、音、匂いなどを識知する二つの心路の間には、無数の有分心が生起している事を述べた。
これら数えきれないほどの有分心が生起する時、心は、現在のどの所縁をも、認識することができない。
この時、生起する有分心は、意門に充当されるが、我々はそれを、有分意門と呼ぶ。
定力が深く厚くなった時、有分は、燦々と発光する所の鏡の様に、心臓の中に、出現する。
まるで鏡の様な光は、有分から生じた所の色法である。
それ自身は有分ではない・・・というのも、有分は名法であり、名法には、色彩は、ないからである。
五禅支を識別するためには、あなたは有分意門を識別しなければならないし、また同時に、有分意門に出現する、入出息似相を識別しなければならない。
あなたがその時、有分意門の中の禅相を見たならば、その後には続いて、当該の禅相の中の、五禅支を識別しなければならない。
(6-20につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。
<『涅槃証悟の唯一の道』パオ・セヤドー著(原題「証悟涅槃的唯一之道」)
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>