南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『禅修指南』(3-4)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

《清浄道論》(Visuddhimagga)では以下の様に言う。

修習を開始する段階において、一つの重要な項目を、遵守しなければならない、それはすなわち:

na lakkhaṇato paccavekkhitabbaṁ

ーー「相を観察してはならない」

ここにおいて「相」とは、「自性相」(sabhāva lakkhaṇa、特徴)と「共相」(sāmañña lakkhaṇa)を指す。

自性相とは、息の中の四大のそれぞれの特徴の事であって、すなわち硬さ、粗さ、推進、熱さなどである。もし、あなたがそれらに注意を払うならば、あなたの修行は四界分別観になってしまい、それは安般念ではなくなる。

共相とは息の無常・苦・無我の三相を言う。

これは「入る、出る、無常」とか「入る、出る、苦」とか、「入る、出る、無我」などに注意を払ってはならない事を意味する。

というのも、この段階における入息と出息は、概念(注5)paññatti、観念)に過ぎないからである。

(注5)《智慧の光》中国語版では、パーリ語の paññatti を漢訳して「施設」、「概念」または「仮名」等としている。

(3-5につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。

<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版

中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>