南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#12-8

究極名法への通達(到達)

真正に、異なる種類の究極色法を知見した後、あなたは、更に一歩進んで、究極名法を了知し、かつ照見することができるが、それはすなわち、名業処

(Nāma-kammaṭṭhāna)の修習である

我々は、六依処または六根門を通して、名法<注52>を識別することができる。

ただし、あなたはすでに、根門を通して色法を識別したのであるから、《清浄道論》では、あなたはまた、同様の方法でもって、名法を識別するべきであると言う:

「彼は斯くの如くに、門を通して、色の摂受するが、それはすなわち、非色が鮮明になる事でもある。」(Vm.664)。

復注では、更に一歩進んで、門を通して、名法を識別すれば、「混乱しない」と説明している。<注53>。

上ではすでに、六根門及びその所縁について説明したが、それはすなわち;

1)眼門、色彩を所縁に取る。

2)耳門、声(音)を所縁に取る。

3)鼻門、香(匂い)を所縁に取る。

4)舌門、味を所縁に取る。

5)身門、触を所縁に取る。

6)意門(有分)、前の五種類の色法根門の五種類の所縁を及び法所縁<注54>を所縁に取る。

心の定律(cittaiyāma)によると、六種類の所縁の中の一種類が、相応する根門を衝撃する時、一系列の心識(citta)が生起するが、その一つひとつの心識には、皆、若干の相応する心所(cetasika)が共に生起する。

この一系列の心識と相応する心所は、すなわち、「心路」(cittavīthi)と言う。

合計6種類の心路がある:

1)眼門心路(cakkhudvāra-vīthi)

2)耳門心路(sotadvāra-vīthi)

3)鼻門心路(ghānadvāra-vīthi)

4)舌門心路(jivhādvāra-vīthi)

5)身門心路(kāyadvāra-vīthi)

6)意門心路(manodvāra-vīthi)

ある一つの法所縁が相応する色法根門を衝撃する時、前五門心路は即刻生起するが、これを「五門心路」(pañcadvāra-vīthi)という。

第六門、すなわち、意門(有分)心路は、「意門心路」(manodvāra-vīthi)と呼ぶ。

  <翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>