翻訳『親知実見』#12-9
すでに、上に述べた通り、五種類の色法の所縁の内の一つが、相応する色法根門を衝撃する時、それは同時に意門(有分)<注55>をも衝撃する:
五門心路と意門心路は、押しなべて皆生起する。
例えば、色彩の所縁が眼門を衝撃する時は、また同時に意門(有分)をも衝撃する。
ここにおいて、先に一個の眼門心路を誘発し、次に引き続き継続して、多くの意門心路<注56>を誘発するのである。これ(らの現象)は、心の定律(cittaniyāma)に依拠して、発生するのである。
このことから明確にわかる事は、名法を知見したいのであれば、先に色法を知見しなければならない、というのも、これらの名法を知見する為には、先に根門及びその所縁を知見しなければならないが故に。
この事は、あなたが色法を識別する(修行において)すでに完成させてあるものである。<注57>。
名法を識別する時、先に異なる類型の心路を識別しなければならないが、それはすなわち、一つ一つの心路の中に、一体幾つの心識刹那(cittakhaṇa)が存在しているかを識別すると同時に、異なる種類の心識刹那を識別する事を意味しているが、しかし、これは未だ究極名法(paramattha‐ñāma)に属さない。
ちょうど、色法を修習する時に、色聚密集の錯覚を破り除く必要があるのと同じ様に、この時、あなたは心路密集の錯覚を破り除かなければ(看破しなければ)ならないのである。<注58>