Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『親知実見』#37-2

合計六種類の心路がある。

前の五種類は眼門、耳門、鼻門、舌門と身門心路で、その所縁は、それぞれ、色彩(見る事ができる物)、音声、香、味と触であり、合わせて「五門心路(pañcadvāra 

vīthi)<注246>」と呼ぶ。

六番目の心路は、すべての所縁<注265>をその所縁としており、「意門心路」(manodvāravīthi)<注266>と呼ぶ。

一つひとつの心路は、皆、一系列の、異なる種類の、心識を含む。

すべての心路の中における、心識は、みな、等しく、心の定律(cittaniyāma)によって生起する。

もし、名法を識別したいのでれば、あなたは、この定律の順序に従って、それらを照見しなければならない。

この事を実践する為に、あなたは、先に、入出息念(ānāpāna-ssati)、その他の止禅業処を通して、または四界差別によって、定力を育成しなければならない。

純観乗者は、名法を識別する(Nāmakammaṭṭāna)以前、先に、色法に対する識別(Rūpakammaṭṭāna)を完成させておかねばならない。

しかし、止乗者は、先に色法を識別するのか、あるいは、先に、彼がすでに証得した所の、ジャーナ(色界<注267>または無色界<注268>)の名法を識別するのかを選ぶことができる。

ただ、欲界名法を識別するのであるならば、彼は依然として、先に、色法の識別を完成させておかねばならない。<注269>。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>。