南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#20-4

(答1-3の続き)

2)構成密集(samūha ghana):物質現象は、一見した所、構成された全体という風に見えるが故に、人々は、色聚(kalāpa)を究極色法であると思いなし、またこれこそが、彼の「自我」である、と思ってしまう。

この種の錯覚を打ち破るために、我々は、異なった類型の色聚の見かけ上の密集を看破し、異なった類型の色聚を分析しなければならない。

この様にすれば、我々は、色聚を構成する諸々の界すなわち:地界、水界、火界、風界、色彩、匂い、味と栄養素、命根などが、本来、構成された全体ではありえない、という事を看破する事が出来る様になるのである。

3)作用密集(kicca ghana):究極色法に対する理解が不足している為、人々は、諸々の界は、一個の「自我」によって存在しているのだと考える、ちょうど、種と植物は、大地に依存して存在しているという風に。

この種の錯覚を打ち破るために、我々は、一つ一つの界は、それ自身に特相(特徴lakkhaṇa)、作用(rasa)、現起(現象)(paccupaṭṭhāna)と近因(padaṭṭhāna)を擁しており、それが例えば、「自我」などの様な、外部にある何かに依存しているのではない、という事を見て取らねばならない。

(答1‐3続く)

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>