Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『親知実見』#23-6

もし、あなたが、あなたの過去世において、現在仏または過去仏の教えの下において、白遍を修習した事があるならば、それはすなわち、あなたに、白遍の巴拉密(pāramī)があるという事であるが、その時、あなたは似相(paṭibhāga-nimitta)を拡大する必要はない。というのも、あなたがそれに専注する時、それは自動的に十方すべてに拡大するが故に。

この状況の下、あなたは、心をして平静に保ち、拡大した白遍に専注しなければならない。

それが安定する時、ちょうど帽子を壁にあるフックに掛けたかの如く、あなたの心は、白遍のどこか一か所に安置されるであろう。

心をして、そこに留まる様にし、かつ、引き続き不断に:

「白、白」と黙念する。

あなたの心が、平静で安定している時、白遍もまた、静止して安定し、かつ、非常に潔白に、明るく、清らかになる。これもまた、似相である。それは、元々あった白遍似相が拡大された後生じたものである。

あなたは、引き続き、白遍似相を継続して、一時間または二時間専注できる様になるまで、修行しなければならない。

この時、五禅支が、あなたの心の中において、非常に顕著になり、明晰になり、力のあるものになり、あなたは初禅に証入する事になる。

五禅支とは:

1、尋(vitakka):心をして白遍似相に導きかつ安置せしめる。

2、伺(vicāra):心をして白遍似相において、維持せしめる。

3、喜(pīti):白遍似相を喜ぶ。

4、楽(sukha):白遍似相の楽しさを体験する。

5、一境性(ekaggatā):一心に、白遍似相に専注する。

諸々の禅支を合わせてジャーナと言う。

この時、入出息念の説明の中で話した方法に基づいて、白遍初禅の五自在<注112>を修習する。

その後に、第二禅、第三禅と第四禅、及びその他の五自在を修習する。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>