南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#24-3

如何にして水遍を修習するか

水遍を修行する為に、あなたは、鉢の中にある水、または桶の中にある水、または井戸の中の純潔で透明な水を用いることができる。

水の概念に対して「水、水」と専注する。

取相に成功するまで、地遍の様にそれを修習する。

 

如何にして火遍を修習するか

火遍を修行する為に、あなたは、蝋燭、たき火、またはあなたが過去に見たことがある炎を用いることができる。

もし、相を取ることができないのであれば、あなたは、一枚のカーテンを作り、その真ん中に30cmほどの丸い穴を開ける。

このカーテンを、燃えている木材または枯草の炎の前において、あなたがこの穴を通して、炎しか見えない様にする。

煙、または燃焼中の木材や枯草に注意を払わない様にして、ただ、火の概念に対して「火、火」と専注する。取相に成功するまで、上に述べた様に、修習する。

 

如何にして風遍を修習するか

触覚または視覚によって風遍を修することができる。

あなたは、窓から吹きこんで来て、かつ、あなたの身体に接触する風、または風の中で揺れる木の葉または木の枝を見る事によって、(所縁に)専注することができる。

風の概念を「風、風」として、相を取る事に成功するまで、専注する。

あなたはまた、再度のその他の遍の第四禅に入り、禅定の光を運用して、外在する木の枝の揺れ動くのを照見して、その事によって風相を識別する。

取相は、熱い牛乳粥の上から昇ってくる湯気の様であり、似相は、静止して不動となる。

上に述べた方法でもって、遍の相を修習する。

 

如何にして光明遍を修習するか

明遍を修習する為に、あなたは壁の隙間から室内の漏れ込んで来て、かつ、地上に投射される光線に注視したり、また、樹木の木漏れ日が地上に照射する時の光線を注視することができるし、また、空を仰ぎ見て、樹木の枝を通して、天空の光を見ることもできる。

もし、相を取ることができないのであれば、あなたは、陶器の缶の中に一本の蝋燭、またはランプを置き、その缶を、光が壁に投射できる場所に置く。

壁の上の円形の光明の概念を「光明、光明」として、専注する。

相を取るのに成功したならば、上に述べた方法でそれを修習する。

 

如何にして虚空遍を修習するか

虚空遍を修行する為、あなたはドア、窓または鍵穴の空間を注視する。

もし、相を取ることができないのであれば、あなたは、一枚の板の上に直径約20~30cmの丸い穴を開ける。

板を立てかけて、あなたは、この丸い穴を通して、樹木やその他のものが全く見えず、天空しか見えない様にする。

丸い穴の中の空間の概念を「虚空、虚空」とし、かつ、上に述べた方法によって遍相を修習する。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>